
目玉は返還文物の特別展
この夏、韓国では多彩な文化行事や公演などのイベントが目白押しだ。なかでも国立中央博物館(ソウル・龍山区)は、フランスから145年ぶりに韓国に事実上返還された朝鮮朝時代の王室関連書物、外奎章閣図書の一般公開特別展を9月18日まで開いている。貴重な機会だけに夏休みを利用してぜひ、鑑賞してみたい。
「記録文化の華」外奎章閣図書
145年ぶり中央博物館
国立中央博物館の常設展示館特別展示室では、「145年ぶりの帰還、外奎章閣儀軌」と題して、『賢嬪礼葬都監儀軌』などの外奎章閣儀軌71点を中心に、『江華府宮殿図』などの関連物を含む165点を展示しているほか、映像による紹介も行っている。
白い服を身にまとった85人の担ぎ手が、国葬で柩を運ぶ際に使う大きな輿をかついでいる。その左右には、青い幕を持ち、輿を隠しながら歩く様子が描かれている。これは、死者が女性のため、一般人に見えないように覆っているのだ。
そのほかにも、明かりを手にした人、哭を行う宮人、竹散馬(馬の形をした祭器で、国王・王妃の祭儀で用いられる)など、貴重な儀式用の各種の道具も見ることができる。
これは1751年(英祖27年)、英祖の長男の妻だった賢嬪趙氏(1715〜51)の葬儀手順を記録した『賢嬪礼葬都監儀軌』。繊細な筆遣いと鮮やかな色彩に加え、国王が閲覧する「御覧」用として描かれたため、赤い線で縁取りが施されている。
王妃の葬儀貴重な資料
なかでも『賢嬪礼葬都監儀軌』は、韓国国内には残っていなかった書物の一つで、朝鮮朝後期に行われていた王妃の葬儀の様子を記録した貴重な資料として高い関心を集めている。
外奎章閣は、朝鮮朝時代に王室関連の文書や図書を保管していた図書館だ。朝鮮王室の主要行事をもれなく記録した儀軌は、「記録文化の華」と呼ばれている。外奎章閣は正祖の時代である1776年に昌徳宮の敷地内に設立された奎章閣の別館として、1781年に江華島に設けられた。
だが、これらの外奎章閣儀軌は、1866年にフランス人牧師の処刑(丙寅教獄)をきっかけに、朝鮮とフランスとの間で発生した戦争「丙寅洋擾」で、江華島を侵略したフランス艦隊によって略奪された。
持ち去られた蔵書は297冊におよんだが、1冊は1993年に返還されている。2010年に李明博大統領とサルコジ大統領が、5年単位の貸与更新の形で事実上、韓国に返還することで合意した。
外奎章閣図書は、4月14日第1次分75冊、同月29日に第2次分73冊が韓国に到着、5月27日まで4回に分けて、全て返還された。
王室の伝統数々の記述
展示室では、外奎章閣儀軌について、儀軌とは何か、どのように作られたかを紹介した後、外奎章閣儀軌を内容別に分類し、宗廟祭礼・親耕(国王自らが農作業を行うこと)・営建(建築)・録勲(功臣の勲功を文章に記録すること)・王室の婚礼・冊封・尊号の付与・国葬に分けて紹介している。
『保社録勲都監儀軌』は、儀軌にハングルが記録された珍しいケースとして注目されている。
開館は火・木・金曜日9〜18時、水・土曜日9〜21時、日・祝日9〜19時。毎週月曜日休館(月曜日が祝日の場合開館、翌日閉館)。無料。日本語案内(℡02・2077・9045)。
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国際花火やエキスポも
◇浦項国際光祭り
日の出の名所としても有名な慶尚北道の浦項で開催。海外から参加する国際花火、光のパレード、海岸ライブコンサートなど、見どころたっぷり。
日時=30〜8月7日。場所=兄山江体育公園、北部海水浴場など。
◇釜山国際マジックフェスティバル
国内外のマジシャンたちのマジックショーや、アジアマジック界の新星たちが多数参加する「国際マジック大会」、歴代の優秀者たちが出演する「マジック王達の帰還、スペシャルウィナーショー」などの多様なプログラム。6回目の今年は、世界14カ国約100人のマジシャンが舞台に立つ。
日時=8月4〜7日。場所=海雲台野外特設ステージ、釜山市民会館公演場。
◇統営閑山大捷祭り
壬辰倭乱で、李舜臣将軍が豊臣軍との海上戦闘で勝利を収めたことを記念する軍事文化海洋祭り。色々な海洋体験プログラムを用意。
日時=8月10〜14日。場所=慶尚南道統営市一帯。
◇慶州世界文化エキスポ
「千年の話、愛、光、そして自然」をテーマに、世界約30カ国から参加する文化博覧会。公演、展示、映像、公式行事など4分野で約100文化行事のほか、体験空間も。
日時=8月12〜10月10日。場所=慶州世界文化エキスポ公園および慶州一帯。
◇ソウルの大公園が夜間開園
ソウル大公園は22時まで延長。オリニ公園は22時まで。ただし遊園地は平日19時、週末21時まで。北ソウル夢の森、ソウルの森、ワールドカップ公園は噴水20時まで。
日時=8月31日まで。場所=ソウル市内主要公園。
詳細は韓国観光公社公式HP。
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見どころたっぷり世界陸上の大邱
「大邱訪問の年」の今年、大邱世界陸上選手権大会が8月27日から9月4日まで、大邱スタジアムで開催され、212カ国約2000人の選手が、47種目で競い合う。 大邱は韓国の東南地域にある広域市で、有名な観光地の慶州、安東などのある慶尚北道に位置している。山や寺、歴史的な遺跡地をはじめ、朝鮮朝時代からの韓薬材市場も見たい場所だ。
そのほか、朝鮮朝中期に形成された西門市場は、8つの地区に4000余りの店舗が入っており、韓服の店も400余店が密集している。
大邱陸上選手権大会HPwww.daegu2011.org(韓・英・日本語)
(2011.7.27 民団新聞)