
韓国の中学・高校生向けに出版された「国史用語辞典」の翻訳書。計875項目を収録し、韓国人が教養として理解している歴史上の人物や事件などを知ることができる。
基本的に日本語読みのルビを振り、人名にはハングルも付している。例えば、韓国ドラマ「トンイ」(同伊)に登場する国王「粛宗」は、索引で「しゅくそう」または「スクチョン」と引く。
朝鮮朝時代に歴史の編纂を行った官庁「春秋館」は「しゅんじゅうかん」とだけ読む。ドラマ「善徳女王」の中でたびたび開かれた「和白(わはく)会議」は、新羅時代に貴族で構成された議決機関で、王権を牽制する働きを担っていたという。
高句麗を建国した東明聖王「朱蒙」(チュモン)や、朝鮮朝時代の名君と称される正祖を描いた「イ・サン」など、歴史上の人物や背景を知ることで、韓国ドラマをさらに深く楽しむことができる。
興味深いのは、「女性の地位」の項目。高麗時代における女性の地位は朝鮮朝時代より高かった。女性が戸主になれたし、再婚も許された。妻には財産分配権があり、息子と娘への財産分与は等分に行われた、と記述されている。
韓流ドラマに人気が集まる昨今、鑑賞するうえでわかりにくい歴史用語を理解する助けになる。年表が添付されていれば、もっとわかりやすいものになったであろう。
イ・ウンソク、ファン・ビョンソク著・三橋広夫・尚子訳
明石書店
(3500円+税)
℡03(5818)1171
(2011.10.19 民団新聞)