
本紙1面に同じタイトルで2004年7月から連載されている。これからの掲載予定稿を含めて、1冊にまとめた。
古代中世歌謡、漢詩、民謡と歌曲、近代自由詩、時調の5部門で150余の代表的な詩歌が対訳と解説付きで収録されていて、自ずと、韓国詩歌の歴史が概観できる。最も力が入っているのは植民地支配下の、何かに託して独立への希望を詠う、民族的な情調の透徹した自由詩だ。
本紙読者の間では、民族の情緒・詩心を知るうえで絶好の企画と当初より評価は高く、「韓国語学習のテキストに活用している」という日本人も少なくない。編集部では、日本語で制作される本紙にあって、民族文化の香りを醸し出す貴重なコーナーと位置づけてきた。
編訳者は在日2世ながら、「3行詩(時調)」の普及に取り組む一方で、自らも詩作に励み、韓国の『時調生活』新人文学賞(06年)、同柴川時調文学賞(11年)を受賞している。
その確かな感性による解説は、極めて簡潔ながらその時代的背景、往時の民族的な心情、作者たちの人柄を浮かび上がらせる。
金一男編・訳
日本文学館
(1000円+税)
℡03(4560)9700
(2011.10.19 民団新聞)