
日本の植民地支配下に生きるソウルの日本人一家の物語を描いた青年団第64回公演「ソウル市民5部作連続上演」(作・演出=平田オリザ)が29日から12月4日まで、東京・武蔵野市の吉祥寺シアターで行われる。
植民地支配の本質と、そこに生きる人たちの「滑稽な孤独」を描いた物語。「ソウル市民」4部作に加え、もう一つの「植民」の形を描いた新作「サンパウロ市民」を紹介する。
「ソウル市民」(89年初演) 1909年夏、「日韓併合」を控えたソウルで、文具店を経営する篠崎家の一日が淡々と描かれる。運命を甘受する「悪意なき市民たちの罪」が浮き彫りにされる。
「ソウル市民1919」(00年初演) 1919年3月1日 朝鮮人たちが通りにあふれ、篠崎家からも少しずつ、朝鮮人雇用者が姿を消していく。3・1独立運動を背景に応接間で歌い、笑い合う支配者日本人の「滑稽な孤独」を鮮明に表現した。
「ソウル市民昭和望郷編」(06年初演) 1929年10月24日、篠崎家にもさまざまな変化が起こる。つかの間の饗宴を楽しむような、一群の若者たちの姿を鋭く切り取る。
新作「ソウル市民1939・恋愛二重奏」 日中戦争からすでに2年、日本は長期にわたる戦争にのめり込んでいた。篠崎家の人たちはつかの間の恋愛に身を焦がす。
新作「サンパウロ市民」 1939年11月、ブラジル・サンパウロ。日系移民の代表格である寺崎家は、サンパウロで文具店を営んでいる。そこにくる相撲取りや、写真花嫁と呼ばれる新移民たち。地球の裏側で展開する「植民」の物語。
前売り・予約一般3500円ほか。当日券一般4000円ほか。チケットは青年団(℡03・3469・9107)12〜20時。問い合わせは同団。公演概要 http://www.seinendan.org/seoul5/info/
(2011.10.19 民団新聞)