
東京演劇アンサンブルは、1945年8月24日に舞鶴港沖で起きた「浮島丸」事件をもとにした韓国の女性作家、鄭福根さんの韓国現代戯曲「荷」を2月24日から3月4日まで、東京・練馬区のブレヒトの芝居小屋で上演する。
「浮島丸」事件は、旧日本海軍運送船「浮島丸」が韓国に帰還する被徴用労働者らを乗せて謎の爆沈をしたもので、乗船していた徴用韓国人と家族524人が亡くなった。
この作品は「浮島丸」をモチーフに、現在の視点から描かれている。
ある日、政治家、金潤植のもとに、芳子という見知らぬ日本女性から荷物が届く。そこには手紙が入っていた。持ち主の知れない古い荷物を受け取るかどうかをめぐって、2人は手紙のやり取りを続ける。やがて2人は、その荷物に関わる過去の幽霊たちに出会う。
鄭さんは1976年、東亜日報新春文芸に『キツネ』が当選して劇作家デビューし、歴史の荒波に翻弄される人間の苦悩を、女性の視点からとらえた作品を発表してきた。「荷」については、韓国と日本の間に残された重い「荷」を、ともに考えたいという鄭さんの提案から実現した。
劇団は、これまで4度の韓国公演を行ってきた。06年に演出家、広瀬常敏さんが死亡、劇団外から演出家の板手羊二さんを初めて招いての公演になる。
入場料当日4500円、前売り一般3800円、学生3000円ほか。問い合わせは東京演劇アンサンブル(℡03・3920・5232)。詳細は同団ホームページ http://www.tee.co.jp/
(2012.1.25 民団新聞)