
コウノトリを守るために、懸命の努力を続ける人々の物語を綴った在日韓国人3世の児童文学作家、キム・ファンさんのノンフィクション作品『きみの町にコウノトリがやってくる』が、くもん出版から刊行された。 特別天然記念物のコウノトリは、1971年に兵庫・豊岡市で野生最後の1羽が死んだ。
本書は、その後、豊岡で、海外から飛来したらしい傷ついたコウノトリを保護し、人工飼育する試みが始まってから40年以上、試行錯誤を繰り返しながら、命のリレーに懸命な努力を続けてきた人たちの姿を丁寧に描いている。
コウノトリが生きていくには、豊富な餌と、巣をかけられる大木がなくてはならない。日本ではかつて、残留性のある強い農薬が大量にまかれたことで、コウノトリは絶滅した。幸運をもたらす「瑞鳥(ずいちょう)」と言われるコウノトリが舞い降りてくる自然を取り戻そうと、環境整備に取り組む人たち。
韓国では83年、最後のコウノトリが死に、88年に日本の多摩動物公園から忠清北道にある韓国教育大学内「韓国コウノトリ復元研究センター」に受精卵が送られ、メスのひな「チョンチュリ」とオスの「オラミ」が育った。コウノトリによってつながった人たちは、市域を、県域を、国境を越えて広がっている。
日本では2005年9月24日、兵庫・豊岡市の「兵庫県コウノトリの郷公園」で、人が育てた5羽が放鳥された。同年に追加で2羽が放され、10年までに全部で27羽が飛び立った。コウノトリの野生復帰計画は、全国レベルでのテーマになっているという。
定価1400(税別)。問い合わせはくもん出版(℡03・3234・4174)。
(2012.2.29 民団新聞)