

42年間 貴重な記録
4万余点の全作品を寄贈
韓国の風土と人々を撮り続けて42年になる日本人写真家、藤本巧さん(62)の写真展がソウルの韓国国立民俗博物館で開かれる。日本人では初めてだ。期間は8月22日から9月24日の予定。
同博物館と藤本さんとの出会いは一昨年の春。藤本さんがソウル市仁寺洞で開いた「写真展KARABITO」に、博物館関係者が来ていたことから知り合った。写真は、セマウル運動(新しい村作り)の盛んだった70年代から80年代を主に出展した。
慶尚北道高霊の村落や、全羅南道の古老たちの写真を観た人々から「韓国の古き良き時代の風景をよくぞ写真として残してくれた」と言われたという。
藤本さんは、崔振用さん(議政府藝の殿堂社長)のすすめで、これまで撮影してきた約4万6000点のすべてを、韓国国立民俗博物館に寄贈することになった。
藤本さんの名「巧」は植民地時代の朝鮮に渡り、林業試験場に従事するかたわら韓国の美を見出した浅川巧(1891〜1931年)に由来している。名前がそうさせたのか、韓国に吸い寄せられるようにして、浅川巧が愛した工芸品の背景とその土地で暮らす人々にカメラを向けてきた。
浅川巧がたずさわった「朝鮮民族美術館」が設立された景福宮の敷地内で写真展が開かれることに、藤本さんは不思議な縁を感じている。
藤本さんが取材した70年代の風景を、民俗博物館の人たちと一緒に昨年、数度に分けて再調査した。その風景の移り変わりを展覧会の図録として掲載する予定だ。
代表作に「韓くにシリーズ3部作」。87年、大阪市から「咲くやこの花賞」を受賞。昨年末には韓国文化体育観光部長官賞も。
(2012.3.14 民団新聞)