
在日同胞の世界的建築家、故伊丹潤さんのデビュー作から済州島での一連のプロジェクトなどを一挙公開する展覧会「手の痕跡」が17日から6月23日まで、東京・港区のTOTOギャラリー・間(TOTO乃木坂ビル3階)で開かれる。
初期の代表作「墨の家」(75年)や「石彩の教会」(91年)など、素材を生かした存在感あふれる建築空間で知られていた伊丹さんは、98年に竣工した韓国・済州島のゴルフ・リゾート施設をきっかけに、宿泊施設や教会、美術館、集合住宅といった済州島でのリゾート開発プロジェクトを手がけ、韓国での活躍の場を広げた。
活動は晩年に向かって円熟味を増し、05年に仏芸術文化勲章「シェヴァリエ」、06年には韓国・金壽根文化賞、08年には韓国建築文化大賞優秀賞、10年には村野藤吾賞を受賞するなど、高い評価を得た。
展覧会では、デビュー作「母の家」(71年)から死去後の現在も進行中の韓国でのプロジェクトまで24作品を紹介する。模型や写真とともに、手描きにこだわった伊丹さんの多数のオリジナルスケッチやドローイング、生前のインタビュー映像、愛用の書斎机なども展示し、遺した「手の痕跡」をたどる。
また5月17日には、シンポジウム「伊丹潤・ひらかれる手」を開催。出席は建築家の三宅理一さん、倉方俊輔さん、そして伊丹さんの長女で、韓国での共同設計者でもあるユ・イファさん、伊丹潤・アーキテクツ設計室長の田中敏晴さん。
開演18時半〜20時半を予定。会場は建築会館ホール(東京・港区)。25日までにTOTOホームページから申し込み。5月10日までに抽選結果を連絡。定員350人。無料。
「手の痕跡」は11〜18時(金曜日は19時まで)。日曜・月曜・祝日休館。無料。問い合わせはTOTギャラリー・間(TEL03・3402・1010)。
(2012.4.12 民団新聞)