
「誰も知らない日韓友好史」を副題とする本書は、放送人でテレビ制作者の日本人(1933年生まれ)と延世大学名誉教授で天文学者の韓国人(1932年生まれ)の対談集。
2人は日本の植民地時代、現在北韓の金策市(当時城津府)で生まれ、45年の4月から8月までの4カ月半、公立城津府中学校の同級生だった。解放後、少年達は、ソ連軍の入ってきた城津の町から、それぞれ家族とともに38度線以南に脱出。その後、日本と韓国で生きてきた。
たった1学期だけの中学生の時、羅逸星氏をかばうために寒河江正氏が言った言葉。「朝鮮人が朝鮮語を話して何が悪いんだ!」。この一言がずっと羅氏の心の中にあり、寒河江氏を忘れず探し続けた。
86年夏、2人は41年ぶりに再会した。以後、交流は今も続いている。
対談は、中学校入学を前後した時代の追憶から始まる。「僕らの時代の教育と創氏改名」「戦火の中で」「日本人の壮絶な帰国行列」「南北分断・韓国戦争と休戦ライン」「日韓それぞれの学生時代」「小さな交流・対面コミュニケーションの創造」「日韓共同繁栄の道」「僕らの世界観」など。
人は、誰に出会い、どのような経験をしたかで人生に大きな影響を与えられるという。2人の出会いは、まさにそうだった。
寒河江正、羅逸星著
東京書籍
(1600円+税)
℡03(5390)7534
(2012.4.25 民団新聞)