
日本伝統文化振興財団(東京・千代田区)は、日本と世界の「無形文化」を紹介する第1回「東京〈無形文化〉祭」を7月、東京の4会場で開催する。同祭は、昨年6月に公益財団法人の認定を期に企画された国際フェスティバル。
15日に東京・港区の草月会館で会見を開き、財団理事長の藤本草さん、芸能学会会長の三隅治雄さんらが出席した。藤本さんは昨年の東日本大震災に触れ、東北地方のさまざま民俗芸能、特に有形の仮面や衣装が津波で流され、その担い手が亡くなったことに言及した。
「そのことを通じて、日本の伝統の中で、これらの文化がいかに、日本人の心を支えているのか、また世界的に見ても伝統文化自体をもっと、大きく取り上げていくべき時期に差しかかってきた」と述べた。
〈無形文化〉について語った三隅さんは「能や歌舞伎など、舞台上の優れた芸術も根本のところでは村の人々の営みの中で行われた祈りの儀式、あるいは作業をしながら歌ったり、踊ったりしたものが土台になっている」と指摘。集団的な力を認め、伝承に対して、国が力をいれていくことが必要だと強調した。
また、韓国の珍島シッキムクッ保存会、珍島ダシレギ保存会にも触れた。死者の霊を弔うシャーマンによる「シッキムクッ」は、この世の恨みや怨念を残した死者の魂を鎮め、あの世に成仏させる儀式だと説明した。
「魂を鎮める儀式が、日本の芸能の一つの発端にもなった」とし、今公演で披露する能楽「三番三」で、「狂言方が足踏みする『足拍子』も鎮魂の儀礼から出たと見ている」と話した。
「東京〈無形文化〉祭」には韓国、日本、ハイチ、パキスタンが参加。歌、踊り、芸能などを紹介する。
開催は7月11〜27日。詳細はホームページ http://mukeibunka.com/ 問い合わせは同祭事務局(TEL03・3322・8856)。
(2012.5.23 民団新聞)