
日本では馴染みが薄い韓国伝統の茶を、さまざまな角度から紹介する金正恵著『心とからだにおいしい韓国のお茶』が先月、三一書房から刊行された。
韓国は日本よりも経度が高く、冬が寒いので、もともと茶葉の栽培には適さない土地柄。そのため収穫量が少なく、喫茶の風習は一部の特権階級と寺院に限られていた。一般の人たちは、山野に自生するさまざまな植物を材料にして、飲み物を工夫してきた。それが、今「健康茶」と呼ばれるものだ。
本書では、茶葉を使った茶をはじめ、多種の健康茶を取り上げている。日本で一般的に知られる健康茶(伝統茶)と言えば五味子茶、柚子茶、テチュ(ナツメ)茶くらいだが、その種類の多さに驚く人は多いだろう。
第4章は「韓国の茶文化をたずねて」と題し、成均館大学校講師の陳福仙さんが原稿を寄せている。茶の歴史や文化について知ることができる。 現在、韓国ではいくつかの大学で茶の歴史の研究や茶の作法の教育が行われている。同校で実際に行われている「茶礼」の様子と、茶道具も紹介されている。日本の茶道との違いを発見するのも面白い。
茶に欠かせない茶菓子の作り方、道具、材料も収録している。健康と美を大切にする韓国人の知恵が詰まっている「韓国茶」だけを扱った初めての本書は見応えたっぷりだ。
定価1400円+税。問い合わせは三一書房(℡03・6268・9714)。
(2012.6.13 民団新聞)