
子どもたちの世界映画祭
「初のアジアプログラム」韓国、中国を特集
子どもたちの世界映画祭「21stキンダー・フィルム・フェスティバル」が8月7日から11日まで、東京の調布市グリーンホールで開かれる。今年は韓国と中国の映画を特集上映する「アジアプログラム」を設けた。キム・ジョンイ監督の「みえないパパとわたしと…」は、目の不自由な父親と2人暮らしをする少女の繊細な感情を描く。第16回目からチェアパーソンを務める女優の戸田恵子さんに、映画祭への思いを聞いた。
「隣人の等身大の姿 ぜひ」
キンダー・フィルムの作品は、他の映画祭や映画館では見ることの出来ない、この映画祭のために集めてきた作品ばかりです。多くの作品には子どもたちだけではなく、その親御さんや大人たちにも送るメッセージがたくさん詰まっています。 キンダー・フィルムを見て映画のファンになって映画を創りたい! 演劇を始めたい! 人に感動を与えたいと思う若者が増えることが、大きな目でみて、日本の芸術文化を成長させてくれることだと信じています。
今年で21年になりますが、確実に多くの子どもたちと親御さんに、この映画祭の楽しみ方が広がっています。子どもに良い映画というものは、大人が感動して学べるくらいの映画でなくてはなりません。
見せる映画は5歳くらいまでと考え、それ以上になったら背伸びして見るくらいの映画を見てもらいたい。うちの子どもにまだ早いとかではなく、こんな難しい映画を見られるのね? と褒めてあげて下さい。
キンダー・フィルムで上映する作品は数合わせのために作品を選ばないので、上映本数が毎年変わります。でも、一つひとつ、こういうメッセージがあるから子どもたちに観てもらいたい、そういう思いで真剣に作品と向き合って選んでいるので、間違いなく、今年も全ての作品に自信をもってお届けします。
今年、初めて韓国と中国の映画を特集上映する「アジアプログラム」を設けます。子どもたちもニュースなどで、隣国の中国や韓国の問題をきっと耳にしています。そこから偏見を持たせないためにも今年は、中国と韓国の子どもたちが同じ考えを持って、同じ優しい気持ちがあることを分かってもらえたらいいですね。
キム・ジョンイ監督の「みえないパパとわたしと…」を最初に見たときは、ドキュメンタリーかと思ったくらいリアルな作品でした。障がいをもった人と暮らすことについて飾らずに、リアルに描いているんです。
主人公の女の子が、目の見えないパパを他の友だちにからかわれるシーンがあるのですが、女の子は鬼ごっこの鬼で目隠しをして目が見えない世界を体感するんです。そうやって子どもなりにいろいろな思いを抱えながら乗り越えていくんだなと感じました。子どもなりの障がいを持った人との向き合い方について描かれた、親子の絆の作品だと思います。
まだ未定ですが、今後も中国、韓国の子ども映画祭との関係は良いものを築いていきたいと、思っています。ニュースで知る情報だけでなく、お互いの国のことを「映像を通じて知る」機会を設けていけたら良いなと思っています。
少しずつ映画祭が前進している手応えは、毎年感じています。急激に変化はしないけど、地道に続けて、より多くの人に見てもらいたい。自分にできることをやっていきたいと思います。
詳細は公式ホームページ http://www.kinder.co.jp/
(2013.7.31 民団新聞)