
「漢江の奇跡」と呼ばれた韓国の1970年代、ベストセラー作家として人気を博した崔仁浩氏が9月25日、唾液腺がんのため死去した。67歳だった。
植民地から解放された45年、ソウルに生まれた。高校2年の時、韓国日報の『新春文芸』に入選した。延世大学在学中の67年、「見習患者」で朝鮮日報新春文芸に当選、文壇にデビューした。70年代の高度経済成長期における産業社会の歪みを鋭く見抜き、初期の作品では疎外された人々に焦点をあてながら当時の韓国社会を映し出した。特に若者や女性たちから絶大な共感を得た。
『星たちの故郷』『バカたちの行進』(日本語タイトル『ソウルの華麗なる憂鬱』)などで、小説100万部時代を切り開いた。『商道』は300万部を超える超ベストセラーとなった。
100冊を超す多様なジャンルの小説を執筆したほか、演劇や映画などの創作活動にも力を入れ、幅広い作家精神を示した。『他人の部屋』で現代文学賞、長編『見慣れぬ他人たちの都市』で東里文学賞など、脚本賞を含め受賞多数。
映像化も30編に
軽妙かつ短い文章は非常に読みやすい。その特徴が映画にぴったりで、映像化された作品は30編を数える。映画の人気がさらに、小説とは無縁の読者を増やした。
「商道」や「海神」などテレビドラマ化された作品も多く、ストーリーテラーの才能に秀でていたことの証にほかならない。
「星たちの故郷」でデビューした李長鎬監督、「深く青い夜」や「鯨とり」などの昶浩監督、俳優安聖基ら映画人とは長く親交を温めた。
(2013.10.9 民団新聞)