
第2人者とされていた人物の突然の処刑などもあり、北韓では依然不安定な情勢が続いている。本書は、北韓の一見不可解な行動を、韓半島を取り巻く複雑な国際情勢から読み解くことによって、北韓にまつわるいくつもの「なぜ」について答えていくことを目的としている。
なぜ「ならず者国家」と呼ばれるのか/なぜ独裁体制は継続しているのか/核やミサイルを開発するのは何のためか/なぜ国際社会を翻弄するのか、などについて検討。「北朝鮮自身が持っているいわゆる冷戦的国際社会観、認識を変えない限り、いくら冷戦体制解体の手続きを慎重に、そして丁寧に踏んだとしても、朝鮮半島の冷戦体制は終結しないだろう」と指摘する。
国際関係に焦点をあわせた入門書として、丁寧に叙述されている。それだけに、休戦協定について、韓国が署名しなかったことに何度も言及しながら、韓国も協定の法的当事者であることについての言及がなかったのは惜しまれる。
なお、「北朝鮮の政権担当者たちが考えていることは、おそらく、北朝鮮が快適な生存空間の中で、尊厳を持って体制を安定的に維持したいという、きわめて当たり前のことだと言ってよい。そしてそれは、世界中のすべての国の指導者たちが考えることと同じ」云々との説明には、違和感を禁じ得なかった。
平岩俊司著
NHK出版(1600円+税)
℡03(3780)3325
(2014.4.9 民団新聞)