掲載日 : [2007-10-11] 照会数 : 6702
東アジア観を一目で 錦絵に見る教科書問題
[ 牧金之助編「絵本日清韓戦争記」(1894年8月19日発行)の表紙絵で、錦絵ではない。開戦当初は日韓戦争の認識を持っていたことを示している
] [ 佐藤正清虎狩之図(國綱=1830〜74年=作)
秀吉軍の朝鮮侵攻時、加藤清正の虎退治武勇伝のひとつ。
江戸幕府時代のこの種の作品は、加藤清正は佐藤正清の仮名が使われ、作者や版元の権力に対する一定のはばかりがみられる。明治維新後は加藤清正になる
]
在日韓人資料館などで展示
姜徳相氏提供
幕末から明治中期にかけて、原始新聞として歴史的、政治的な様相も伝えた錦絵から教科書問題の原点を探る、「錦絵から見た幕末、明治の東アジア観」−姜徳相・在日韓人歴史資料館館長コレクション展が今月と来月、東京都内の2会場で開かれる。
同展では朝鮮を主題とした錦絵が当時の日本の国民にどう反映したか、日本の朝鮮観がどのように形成されたかなど、脱亜入欧の傾向を強める時期の日本の対韓意識や、教科書問題の原点となる本質を浮き彫りにする。
姜館長が40年間、こつこつと蒐集した300点の作品のなかから、神功皇后、豊臣秀吉の朝鮮征伐、「征韓論」から日清戦争、日露戦争(韓国植民地化戦争)の作品群を紹介する。
▽〈第1回〉27日〜11月4日10時半〜17時(最終日15時まで)/東京・港区のMINDANホール(韓国中央会館8階)。作品約130点展示。28日15時から「姜徳相の錦絵解説と茶話会」を開催。会場は同ホール。参加費800円。問い合わせは在日韓人歴史資料館(℡03・3457・1088)。
▽〈第2回〉11月7〜25日12〜17時(月、火曜日休館)/東京・新宿区の高麗博物館(第2韓国広場ビル7階)。作品70点展示。11月10日14時から、講演会「錦絵から見た幕末、明治の東アジア観」を行う。講師は姜徳相氏。会場は同館。参加費1000円。問い合わせは同館(℡03・5272・3510)。
(2007.10.10 民団新聞)