掲載日 : [2007-10-11] 照会数 : 3852
友情はぐくんだ両巨匠 青森で棟方志功・崔榮林展
[ 崔榮林「佛心」1967年国立現代美術館(韓国)蔵 ] [ 棟方志功「華狩頌」1954年青森市蔵(棟方志功記念会館寄託) ]
韓国と日本を代表する画家を紹介し、相互の美術、文化への理解を探る展覧会「棟方志功・崔榮林展」が11月10日から12月24日まで、青森市の青森県立美術館企画展示室で開かれる。青森県立美術館とソウルの国立現代美術館分館徳寿宮美術館が共同で企画した。
青森市出身の棟方志功(1903〜1975)は、「板画」と自ら命名した独自のスタイルによる木版画で、仏教や同時代の文学者の詩や物語などを題材に、既存の版画の概念をうちやぶる雄大な作品を制作した。日本を代表する芸術家。
崔榮林(1916〜1985)は韓国の著名な画家で、戦前に棟方志功を訪ね、版画をはじめ民俗的な題材の画風に大きな影響を受けた。郷里に戻った後で戦争が終わり、志功との交流は途絶えたが、1965年末から復活し、志功の亡くなる年の75年正月まで文通で交流を深めていた。
最後の手紙のなかで、いつか韓国を訪れ、お会いしたい、「何十年の友情は心の中におたがいに通ってゐますから、大丈夫です」と書いている。
同展では伝統を噛みしめながら国際的に評価される普遍的、独創的なスタイルを創造した棟方志功の版画、倭画など約50点と、その影響を受けて自らの民族の心に根ざした美術を志した崔榮林の版画、油彩など約70点の作品を展示する。
開館9時半〜17時。休館日11月26日。観覧料一般800円、高大生560円、小中生320円。
問い合わせは(℡017・783・5241)。
(2007.10.10 民団新聞)