掲載日 : [2007-09-12] 照会数 : 3562
撮影30余年の写真集「済州民俗」 ありし日の庶民の暮らし
姜萬保さん刊行・大阪で個展
農業や漁業で生計を立てる済州道庶民の素朴な生活ぶりを活写した写真集『済州民俗』(済州民俗写真研究会発行、3万ウォン)が韓国国内で出版された。済州市の写真作家、姜萬保さん(59)が70年代から今日までコツコツ撮り貯めてきた膨大な作品のなかから選んだ110点余りを収録。ありし日の済州道の生活文化がしのばれる。
掲載作品はすべてモノクロ。陰影を効果的に使った味わいのある作品集に仕上がっている。便所から糞尿の肥料を取り出す様子、馬車に乗って農作業から帰ってきた老夫婦、たきぎを背負う深いしわが刻まれた老女、くるり棒を使ったごまの脱穀作業など。
写真展出版を記念して大阪国際交流センターで開かれた個展で作品を見た民団大阪府本部の李龍権議長は、「いまはこんな風景も生活も見られない。よくぞ写真で残してくれた」と喜んでいた。
姜さんは済州市生まれだが、4・3事件の余波で一時、日本に逃れ、小学校2年から6年まで大阪市立御幸森小学校に通っていたことがある。次回作は生野区のコリアタウンに住む同胞を中心にした写真集を計画している。
(2007.9.12 民団新聞)