掲載日 : [2007-09-12] 照会数 : 3915
<読書>朱蒙 チュモン 小説で高句麗の始祖に迫る
韓国で最高視聴率52%、35週連続視聴率1位を記録した超人気ドラマ「朱蒙」をご存知だろうか。
日本でも昨年から今年にかけてスカパーのKNTVで放映され、韓国ドラマの面白さを堪能させてくれた。熱烈なファンの要望で始まったというBSフジの吹き替え版も話題を集めている。
朱蒙とは高句麗建国の始祖の名前だが、このドラマのヒット以降、出演者が高句麗の地を訪ねるという触れ込みで北韓を訪れたり、韓国では2匹目のどじょうを狙う「古代歴史物」ドラマが続出したのも記憶に新しい。
その朱蒙が小説になって登場した。著者は朱蒙だけでなく、たて続けに『淵蓋蘇文』を民族の英雄として描き、ヒットさせたソウルの現役高校国語教師であるというのも驚きだった。
上巻の最初を飾る人物は、やがて朱蒙の母となる柳花夫人と自らを檀君と称するカリスマ将軍、ヘモスである。2人の運命的な出会いと愛の交歓、そして朱蒙誕生と高句麗建国が冒頭に示唆されている。
テレビドラマに親しんでいる読者には、同じ朱蒙でもずいぶんと内容が違うという印象を持つだろうが、先入観から離れて、まったく新しい朱蒙に触れるのも一興だ。それこそ伝説の人、朱蒙のもう一つの顔かもしれないから。
(朴赫文著、舘野・蔡星慧訳、晩聲社1500円+税)
℡03(5283)3721
(2007.9.12 民団新聞)