掲載日 : [2007-09-12] 照会数 : 4161
<読書>信じるチカラ−−パク・チソン自伝 ハンディ超えてつかんだ成功
Jリーグの京都パープルサンガで活躍し、02年韓日共催W杯では、韓国4強の原動力になった朴智星。口数が少ない彼が、自ら語ったサッカー人生、私生活が本書である。
現在、英国プレミアムリーグのマンチェスター・ユナイテッドに所属し、「酸素タンク」の異名を付けられるほど運動量の多い彼も、幼少期は一日に5回もひきつけを起こしては気を失う虚弱体質だった。ひとりっ子で、内向的な性格だったが、小学4年生で始めたサッカーで人気者になり、将来は選手になりたいとのめり込んだ。
公務員を望んだ両親は反対したが、決意の固さについに折れ、父とひとつの約束を交わした。「やると決めたからには、自分からやめるとは言わない」。この約束は今もしっかり守られている。
韓国代表として活躍した人物が指導する高校に智星を入学させ、体作りにいいと言われたカエルを買い集め、嫌がる息子に与え続けた父。体格に恵まれなくてもテクニックだけでは負けたくないと、片時もサッカーボールを離さず、夢に向かって疾走した息子。涙ぐましい努力が生んだサクセス・ストーリーは、青少年の心を熱くするだろう。『ヒディンク・コリアの真実』で、02年ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞に輝く在日3世のスポーツライターが監修した。
(朴智星著、慎武宏構成・監訳、ランダムハウス講談社1800円+税)
℡03(5225)1610
(2007.9.12 民団新聞)