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大阪・摂津市…20年で公立小の7割

 【大阪】在日同胞子弟の少数在籍地区、大阪の摂津市でこの20年間、民族教育が着実な広がりをみせている。これは、親の思いを受け止め、目の前の「在日」を生きる子どもに向き合ってきた日本人教員と民族講師の連携があったからこそだった。大阪府民族講師会主催の教育研究集会での報告からこれまでの実践を振り返った。

 市内に公立小・中学校は17校。韓国・朝鮮籍の在籍児童は全体で50人にも満たない。にもかかわらず、「民族子ども会」(民族学級)は小学校12校のうち9校で開設されており、日本人の子どもたちに「正しい韓国・朝鮮認識を」と国際理解教育も並行して行われている。この車の両輪ともいうべき取り組みが摂津市の特徴だ。

 20年前、教職員の間で韓国・朝鮮人教育に関わる取り組みはまだほとんど見られなかったときのこと。ある在日韓国人の少女が本名を名乗りたくても名乗れず、鳥飼小学校を卒業していく苦しい胸の内を生活ノートに託して担任に訴えた。担任がこれを真っ正面から受け止めたことから、摂津市における在日韓国・朝鮮人教育の取り組みが広がっていった。

 鳥飼小には当時、20人の在日同胞子弟が在籍していた。教職員は新学期の家庭訪問が始まると意識的に同胞父母の語る渡日史に耳を傾け、わが子への思いも聞いた。

 この結果、差別という現実を前に子どもたちには心ならずも「通名」を名乗らせているということを知った。家庭訪問を終えた教職員たちは職員会議で何回も話し合った結果、「在日」の子どもたちに寄り添い、そっと支えることで父母からの重たいメッセージに応えることに決めた。

 教職員組合には「在日朝鮮人教育専門部会」が発足した。摂津市教育委員会でも「在日朝鮮人児童・生徒の教育指針」を策定して教職員の取り組みをバックアップしてきた。84年には民族講師の指導のもと鳥飼東小学校で第1回ハギハッキョ(夏期学校)が1泊2日の日程で開かれた。子どもたちは40人参加した。夜は教師と親が夜を徹して語り合った。

 これが契機となりまず鳥飼小、鳥飼東小、鳥飼西小の3校で「在日子ども会」と「親の会」が生まれ、子どもたちの「本名宣言」も少しずつあたりまえになっていった。

 99年度からは市教委も「国際理解教育に関する社会人講師活用実施事業」として予算をとり、「在日子ども会」や各校での国際理解教育に関わる民族講師に報酬を支払うようになった。

(2003.03.05 民団新聞)

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