掲載日 : [2008-08-15] 照会数 : 5718
「従北」汎民連を批判 平統日本東部協講演会
[ 講演する河代表 ]
「開かれた北韓放送」 河泰慶代表
民主平和統一諮問会議日本地域の東部協議会(許孟道会長)は7日、民団中央会館に首都圏の民団、婦人会幹部ら150余人を集め、「最近10年間の北韓の変化と人権改善の展望」をテーマに時局講演会を開いた。講師は韓国の社団法人「開かれた北韓放送」の河泰慶代表で、学生時代は韓国の民主化運動に関わった。現在は北韓の人権改善や脱北者支援活動を行っている。
北韓の民主化こそ緊要
「対象が韓国から北韓に変わっただけで、一貫して民主化運動に関わってきた」と自己紹介した河代表は、民主化運動勢力の中で、北韓政権に従属する汎民連(祖国統一汎民族連合)を厳しく批判しながら、北韓の人権問題について言及しない「太陽政策」にも苦言を呈した。
今後の北韓の人権改善の展望については、「金正日政権下では民主化は困難だが、市場経済の導入と人権問題に関する国際的なキャンペーン、さらに外部からの情報流入が北韓に変化をもたらす」と結論づけた。
開かれた北韓放送は1日2時間、文化ニュースを中心に放送している。脱北者の証言によれば、この放送を聞いている北韓住民は中波が10%、短波が4%程度だという。
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河代表の講演内容(要旨)は次の通り。
80年代までは「親北」勢力はそれほど力を持っていなかった。86年まではまだ6・25以後の反共主義や反北主義が非常に力を持っていて、金日成について議論することはタブーだったからだ。
ところが86年以降、全斗煥政権が融和的な局面作りに乗り出し、87年に大統領直選制を求める運動が勝利をおさめる過程で、社会主義理論が多く入り、「社会主義を受け入れた我々が、同じ社会主義の北を受け入れられない理由はないだろう」といった傾向が生まれた。87年に全斗煥政権が「6・29宣言」を通じて譲歩したことによってタブーを破ってみようという機運が高まった。
韓国人は左派・右派を問わず、反日民族主義を背景に、「金日成は抗日パルチザン運動に加わっていたじゃないか」ということで好感を持ち始め、学生たちの間では金日成は優れた人物になってしまった。
民族解放運動勢力が87年以降の学生運動をリードすることになった。北が親分で南が子分といった関係ではなく、両方が対等であるべきだという勢力(対等勢力)と北が指導勢力であり南はそれに従うべきとの勢力(従属勢力)が共存していたが、89年以降、北が体系的な指導を行い始めてからは、徐々に、「北に従うべき」と主張する勢力、親北的ないわゆる主思(主体思想)派勢力が力を持ち始めた。
もともと「汎民連」というのは、南と北と海外でそれぞれ統一運動を行っている三者がひとつの組織を作ろうというものだが、内部で従属的な勢力が徐々に勢力を拡大するようになり、「対等勢力」は民族会議(自由民主民族会議)のもとに結集し、「従属勢力」は汎民連に結集することになった。
それまで北の政権に対する評価は「同じ民族だし、社会主義政権だから生活には困っていないだろう」という漠然とした憧れとも言えるものだったが、よく見ると北の政権はひどい政権だ。従って我々が民族を目指すにあたって、こうした政権を相手にすることは不可能であり、政権を民主化し北の住民の人権を改善することが民族としての重要な課題だ。すでに韓国社会では一定の民主化が実現し、これからは北の民主化と人権改善のために全民族が団結して闘うべきだと考える人たちが、90年代中盤に「北の人権」「北の民主化」という旗印を掲げることになった。
一方、「多少悪いところはあるにせよ、同じ民族だから」「金正日政権の下でも何とかなるだろう」「だから北の政権を支援しよう」という、いわゆる「太陽政策」を進めようとする人たちを生むことになった。
結局のところ、汎民連のような完全な従属主義的な「親北勢力」、政党で言えば民労党、次に金正日政権を支援して北を良くしていこうという太陽政策を主張する「北支援勢力」、3つ目は、金正日政権の下では良くなることは望めないとして、北の人権改善と民主化を強力に主張する「北人権勢力」に分けられるといえるだろう。
(2008.8.15 民団新聞)