掲載日 : [2008-07-16] 照会数 : 5920
<兵庫県教委>「主任」にも国籍の壁 韓国籍教員
就任1年で降格処分
【兵庫】校長からキャリアを認められて生徒指導部長(主任手当のつく主任)に任命された兵庫県立湊川高等学校(定時制)の教員、方政雄さんが07年3月、県教委の意向を受け、任命から1年で解任を通告され、4月から名目上の「手当の付かない学年主任」として勤務していることが明らかになった。県教委の根拠は「法令遵守」だが、該当の「法令」そのものが、外国籍の教員増加という時代の趨勢に合わなくなっているとの指摘もある。方さんは引き続き話しあう。
地域で異なる法令解釈
主任は一定の年齢に達した教諭であれば誰もが就任する職。わずかながら手当も付く。ただし、校長の行う公務の運営に参画するとして、教諭でなければ就けないとされる。92年以後に採用された外国籍教員は、日本籍教員と同じ条件で採用試験に合格しても「期限を附さない常勤講師」のため、自動的に排除される仕組みだ。
学級担任としてや、授業の実施など児童・生徒に対する教育指導面では「教諭」とほぼ同等の役割を担いながら、なぜ主任になれないのか。関係者の話では、「『講師』は主任に充てることはできない」という1947年施行の学校教育法施行規則が妨げになっているという指摘もある。
47年当時は同胞も日本国籍を保持し、「公務員に関する当然の法理」も存在していなかった。従って「主任は、教諭をもって、これに充てる」とした条文の本来の意味は、主任は正式採用者から充てなければならないものと解釈するのが一般的なようだ。
方さんは、「校長や教頭になりたいと言っているわけではない。法施行時の本来の意味あいから解釈すれば、正式採用者である外国籍教員が『主任』になることはなんら問題がない。まず、外国籍排除があり、その合理的手段を見繕うための拡大解釈がなされてきたのではないか」と述べた。
問題が明らかになってからは同僚教員や民団兵庫県本部(白永煕団長)などからも県教委に要望書が届けられ、方さんも県教委と粘り強く話し合ってきた。この結果、今年4月からは「手当の付かない学年主任」として勤務している。方さんによれば、「2学級以下の湊川高校では本来設置をしなくてもよい役職でもある」という。方さんにとっては不本意な結果だが、なんとか事態打開をめざそうとする県教委の苦心の跡もうかがえる。
弾力的な運用が必要〈解説〉
「外国人も努力と実力があれば報われるから頑張れと教えてきたが、現実はそれを裏切っているのではと思う。後に続く人たちのためにも立ち止まれない」と方さんはいう。
現実に大阪市や東京、鳥取県では「教務主任」など、すでに外国籍教員が「手当主任」として働いている。91年当時は外国籍教員も少なく、採用されていても年齢は比較的若かった。「主任」になれるかどうかは問題になることもなかった。しかし、17年の歳月を経て兵庫県内の公立学校教員はすでに28人(07年4月1日現在)。全国では200人ほどが外国籍と推定されている。こうした現状を直視した弾力的な運用が求められている。
方さんは兵庫県での外国籍教員第1号として92年に採用されたキャリア16年のベテラン。
(2008.7.16 民団新聞)