日本による
韓国併合から100年(8月22日)になることから、この数年活発だった韓日関係史の再検証を受けて、多くの研究発表が行われよう。また、扇情的な民族主義やさまざまな政治的立場からの発言や行動も予想される。しかし一方で、韓日間の歴史的和解のための努力にいっそう力が入るだろう。
韓日の歴史共同研究は、両国の政府主導による事業以外にも学識者グループや市民団体によるものまで幅広い。今年1年を通して行われる
「平城京遷都1300年祭」は、古代からの結びつきの濃厚さを照らし出すに違いない。20周年になる
「四天王寺ワッソ」も脚光を浴びそうだ。
コ・ヒョンジョン主演の「善徳女王」など、日本における韓流現象の持続に加え、韓国の映画・演劇が日本で、日本の文学が韓国で根強い人気を博しており、文化・エンターテインメントの分野で共同プロジェクトがすっかり定着した。ペ・ヨンジュンが観光大使を務める
「韓国訪問の年」も始まった。
EPA(経済連携協定)の締結交渉は進展が思わしくないが、韓日経済の密接度合いは深まる一方だ。
釜山市と福岡市の超広域経済圏形成に向けた協力事業は、両地域で使える電子マネーを3年以内に導入するなどの目標を掲げ、今年から本格化する。
釜山の観光広報大使に「冬のソナタ」で人気のチェ・ジウが就任したのも、強い味方になりそうだ。この1月5日、
関釜フェリー就航40周年式典が下関のシーモールで開催される。
健全な韓日関係とそれを軸にした東アジアの新時代に向けて、未来への価値観を共有しようとの努力は実態面でも確実に広がってきた。昨年末に日本内閣府が発表した世論調査結果で、韓日関係は良好と答えたのが67%と前年を17%上回り、過去最高を記録した。
民団の運動にとって、未来への価値観の共有努力は大きな援軍となる。
永住外国人への地方参政権問題は、1月中旬から始まる通常国会で付与法案を成立させようとの機運が政府・与党でも高まってきた。最高裁が永住者などへの地方参政権付与は憲法上禁止されていない、と判示して2月28日で15周年だ。
6・25韓国戦争勃発から60年に際し、韓米は外交・国防長官による初の「2プラス2会合」を開き、同盟関係の発展を確固としたものにする。11月には韓国で、世界経済をリードする
主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開催される。
世界の人口の半数とFTA(自由貿易協定)を締結する初めての国になると宣言した韓国は、インドとの包括的経済パートナー協定(CEPA)は年初に、EUとのFTAは年後半には発効させ、1昨年に締結した米国とのFTAの批准を目指す。いくつかの国との交渉を同時進行させる。韓国経済は今年、
4・6%のプラス成長で堅調に推移する展望だ。
韓国戦争勃発60年は、
在日学徒義勇軍も参戦した韓米連合軍による仁川上陸(9月15日)作戦の60周年でもある。また、民団が総力を挙げて支援した農村近代化のための
セマウル運動の開始(9月1日)からも40周年。民団を中心とする在日同胞の韓国への経済的、精神的連帯が国内でも再照明されよう。
2月の
バンクーバー冬季オリンピックで韓国は、女子フィギュアのキム・ヨナ選手の華麗な演技に金メダルを託す。南北が初めて同時出場することでも注目される
サッカーW杯南アフリカ大会(6月11日〜7月11日)には、レッドデビルらの熱烈な応援が予想される。
民団は特別事業として、隔年で開催される
オリニ・ジャンボリーを8月初旬に韓国で開催する。2012年から実施される在外国民国政参政権にどう対応するか、研究を本格化させる。2011年10月の創団65周年記念の準備機構を発足させるほか、民団の未来ビジョンづくりと関連して、宣言・綱領の再構築の準備に入る予定だ。
(2010.1.1 民団新聞)