掲載日 : [2015-12-09] 照会数 : 4920
韓国に初のネット銀行…Kバンクとカカオ銀行
韓国の金融委員会は11月29日、韓国初となるインターネット専門銀行の事業者として、申請を受けた3つのコンソーシアム(企業連合)のうち、「韓国カカオ銀行コンソーシアム」と「Kバンクコンソーシアム」に予備認可を出すと発表した。韓国に新規で銀行が認可されたのは92年の平和銀行以来、23年ぶり。
革新的モデルに期待
「カカオ銀行」はスマートフォン用メッセージサービスのカカオトークを手掛けるカカオが、「Kバンク」は通信大手のKTが主導する。
両コンソーシアムは正式認可の取得に向けた準備作業に入る。営業開始は経営戦略や事業計画により決定されるが、原則的に正式認可から6カ月以内となる。
ネット専門銀行には従来の銀行にはないサービスが求められる。店舗を訪れることなしに、パソコンやスマートフォンで銀行業務が行えるようになることだ。
店舗の運営費や人件費を最小限に抑えることで、顧客に有利な貸付や金利の提供が期待される。特に、年利10%台の「中金利融資」の活性化に注目が集まる。中央銀行である韓国銀行の政策金利は史上最低の1・5%まで下がったが、庶民や零細業者が利用する貯蓄銀行など「第2金融圏」の融資金利は下がっていない。貯蓄銀行上位10社の平均金利は7月末基準で28・6%に上がっており、庶民層は低金利の恩恵を受けていないとの指摘が出ている。こうした状況を踏まえ、今回新設する2行は中金利融資の活性化を掲げている。
金融委員会は「情報通信技術と金融の融合を通じた革新的なビジネスモデルの構築が期待でき、従来の金融圏で円滑に供給できなかった零細業者などを対象にした中金利融資の活性化が見込まれる」と説明している。
カカオとKTはビッグデータを活用し、迅速な審査を経て融資するサービスも提供する予定。とくにカカオは得意とするソーシャルネットワークサービス(SNS)を通じた金融商品の開発など幅広いサービスを展開していく計画だ。
(2015.12.9 民団新聞)