掲載日 : [2017-04-26] 照会数 : 7112
小さな「国際交流」10年…在日3世が公務員時代の経験を青梅で
[ 「ムグンファサークル」の講師、金幸子さん=右 ]
市民に韓国語指導、学童保育も
東京都青梅市の小さな韓国語学習グループ「韓国ムグンファサークル」が6月に満10周年を迎える。講師で在日3世の金幸子さん(45、青梅市河辺)は「生徒さんのおかげでなんとなく続きました」とほっとした表情を見せた。
月2回、市内の大門市民センターで、金さんを講師に4人が初歩的な日常会話を学んでいる。受講生は少人数でなごやか。上から目線の「教える」という雰囲気からはほど遠い。金さんは「楽しくて、次も来たいという余韻を残せたらいい」と心がける。
秋山夏美さん(56、主婦)はサークルに加わって5年目の「韓流ファン」。K‐POPの歌詞が同時に聞き取れたらと思ってサ‐クルに通う。学習を初めて5年目に入ったいま「単語をつなぎ合わせながら、少しは聞き取れるようになった」。
堀内恵子さん(51、主婦)は韓国ドラマ好き。「コリアンタウン」として知られる東京・新大久保でよく買い物する。韓国語の学習を始めて2年目のいま、「韓国語で聞かれ、韓国語で返したい」と熱心に学ぶ。
金さんは京都府出身。短大卒業後、「韓国語もしゃべれないで、人前で韓国人と言えない」と延世大学に1年半、語学留学。帰日後、京都の城陽市役所にしばらく嘱託待遇の国際交流員として勤務した。
青梅市に移ったのは結婚がきっかけ。城陽市での充実した国際交流活動の経験から「青梅でもなにかやらなければ」と市役所の門をたたいた。こうして実現した「1日韓国文化体験教室」が反響を呼び、2007年にサークルが発足。市から社会教育団体として認定を受けた。「青梅で韓国語を学ぶ場がなかった」という市民からも歓迎された。
2年前からは市の臨時職員として週1回、市内7校を順に回り、見守りを中心とする放課後の学童保育も担当している。あだ名は「キムチ先生」。いつか子どもたちに韓国語を教えるのが夢だ。
(2017.4.26 民団新聞)