掲載日 : [2020-10-28] 照会数 : 6615
道なきところに道…樺太帰還在日韓国人会の李羲八会長が死去
[ 写真右が李羲八氏 ]
李羲八氏(樺太帰還在日韓国人会会長) 9月6日、肺炎のため死去。97歳。葬儀は親族のみで営まれた。喪主は長男の碓井裕哲さん。慶尚北道英陽郡出身。20歳の時、「官斡旋募集」に応じてサハリン(南樺太)へ。解放後、引き揚げできたのは日本人のみだった。
李さんは現地残留の日本人女性と再婚していたことから1958年、一家で日本に帰還できた。すぐに、同じ引揚者の朴魯学さんらと3人で「樺太帰還在日韓国人会」を結成し、初代会長に就任。高木健一弁護士や大沼保昭東大教授(当時)ら日本人支援者や「サハリン残留韓国・朝鮮人問題議員懇談会」の助けを借りてサハリンから韓国人を招請し、韓国から呼んだ親族を東京で再会させてきた。
88年には韓国の親族と再会するためサハリンから訪日中の金徳順さんをソ連と国交のなかった韓国に一時帰国させることに初めて成功し、一民間人の執念が「道なきところに道を作った」といわれた。これ以降、サハリンからの韓国人が日本を経由して何千、何万人単位で韓国に入国できるようになった。
(2020.10.28 民団新聞)