地域密着型と全国行事で
民団の次世代育成プランは、着々と実を結んでいる。かつて「世代交代」「後継者育成」などのスローガンを掲げ、地域密着型で展開してきた夏の林間・臨海学校や「民族教育50時間義務制度」の伝統を受け継ぎつつ、95年から導入された学校週5日制がきっかけとなったオリニ土曜学校の浸透と2001年から始まった母国でのオリニジャンボリーが大きな転機となった。
昨年、6回目を数えたオリニジャンボリーは、10年を経たこともあり、かつてのオリニが立派に成長して、リーダーやスタッフとして戻ってきたほか、学生会や青年会の活動にも多くが参加しつつある。
民団は昨年からの次世代育成運動で、青年会のない地区を対象にした青年母国訪問を実施、100人がソウルに集い、空白地区をなくす決意を確認したのをはじめ、青年会本部の再建や再建準備に拍車をかけた。
今年は、青年会自らが全国巡回キャラバンを展開し、会員拡大と地方組織活性化に努力している。
また昨年、約10年ぶりに母国修学生会を再建し、88ソウル五輪に貢献した民団への恩返しとして修学生への奨学金制度も発足した。
今年で5年目を迎える中央団長杯オリニフットサル全国大会もスポーツを通じた次世代育成の場となっている。昨年、小学生の部に加え、中学生の部を新設し規模を拡大した。
在日本大韓蹴球協会が運営する同胞児童のサッカー教室「ムグンファ・ジュニア」は今年で15年。2002年W杯の韓日共催決定でサッカー熱が高まる中、「未来への道づくりとして在日同胞オリニたちのサッカークラブが必要」と同協会役員の意見が一致。当時、オリニ土曜学校に通う児童の保護者に声をかけ、約20人でキックオフした。
同クラブの卒業生は数え切れず、代表的な選手が昨年7月、女子U20W杯で3位となった韓国代表の在日4世の康裕美さんだ。またここ数年、韓国国体で在日同胞イレブンの一員として加わった選手も目立つ。これが愛知にも波及し、2008年から「愛知オリニサッカー教室」が始まった。
オリニジャンボリーを中心とした民団の各種オリニ事業から、多くの青年・学生リーダーが育ち、民団事業に積極的に協力している。オリニから中学〜高校〜大学(学生会)〜青年会へとつなぐ中・長期的で体系的な次世代育成システムが形成されつつある。
(2011.8.15 民団新聞)