仲間との出会い最高…歴史や安保も身近に
民団は昨年から重点運動として次世代育成を掲げた。創団65周年を迎える今年は中学生、高校生、大学生、青年会、青年商工人の世代別の次世代たちを対象にした3泊4日間の母国研修「次世代1000人プログラム」を展開している。
夏休みに入り、その第1段階として中学生と高校生コースが行われた。先陣を切ったのが高校生で7月26日から29日まで。中学生はその1週間後の8月2日から実施された。
ともに定員をオーバーし、高校生は158人(引率団長=韓在銀民団中央副団長)、中学生は163人(引率団長=金昭夫副団長)が参加した。16日からの大学生コース(引率団長=許孟道副団長)も約250人と定員を大幅に超える人気だ。また、秋に行われる青年会コースも申し込みが殺到し、当初の定員を大幅に増やす見込みだ。
同プログラムは、これまでの主流だった「楽しむ観光系の企画」から様変わりさせ、しっかりと母国と在日同胞について知ることを中心にカリキュラム構成した。
日程中、「在日同胞の歴史」をはじめ、「韓国の近・現代史」、「韓国の今」などの講義にあわせ、三星電子の広報施設見学や戦争記念館、北韓に爆沈された天安艦なども視察し、祖国の発展ぶりと分断の痛みを肌で感じた。
また、高校生は本名使用、韓国語習得の必要性、自分にとっての韓国、日本の地方参政権などをテーマにした班別ディスカッションを通じて、在日同胞の現状と未来についてを語り合った。
感受性豊かな中・高校生たちにとって、韓国の今を肌で学び、在日韓国人としての生き方を語り合った今回の母国研修は大きな衝撃を受けたようだ。
金雅英さんは(中3、千葉)「韓国戦争や北韓の事情など母国、韓国について知らないことがあまりにも多かった。また、三星電子のすごい技術を見て誇りを感じた」、洪英美さん(3年、兵庫)も「韓国企業が世界をリードしていることを知り驚いた」と感嘆。
参加者たちの多くが口を揃えるのは「全国の仲間と出会え、同胞の友人ができたことが何よりもうれしい」という点だ。
朴太明君(中2、京都)は「はじめて会う人たちでしたが、勇気を出して友だちになろうと言い出したことが大成功。その新しくできた仲間とすばらしい夏休みを過ごせた」と同胞との出会いのすばらしさを喜び、李麻衣さん(中2、三重)も「最初は緊張したけど、まわりの子たちがやさしくてうれしかった。私の中での目標であった在日の友だち作りが達成できた」と笑顔たっぷりだった。
次世代K‐POPアーティストとの交流会で大喜びの参加者 | | 期待を胸に母国に到着した中学生 (2日、金浦空港) |
しっかりと国民儀礼を行う中学生 (2日の開講式で) | | |
北韓によって爆沈された天安艦の無残さをこの目で確かめ、安保の実情を学んだ(4日、平澤) | | 天安艦犠牲者慰霊碑の前に黙祷する |
3日間のグループディスカッションの結果発表をする班長(高校生コース) | | 超薄型テレビに驚き(三星電子水原事業所広報館で) |
参加者たちにとっては全国の仲間たちとの出会いが何よりもの思い出となった |
(2011.8.15 民団新聞)