民団規約守ってこそ
一方的離脱は組織破壊行為だ
「韓商連 直轄処分に」と民団新聞に報じられて以来(2012年2月)、「韓商連問題」に強い関心を持ち、注目してきた。
5月22日付の民団新聞「韓商連問題 洪釆植会長に聞く」および「韓商連問題の経緯」を読んで、朴忠弘氏一派(「一般社団法人韓国商工会議所」側)の狙いが何であるかがよくわかった。
嘘で固めた名分
彼らは、韓商連を牛耳っていた時に、①「一般社団法人」を取得すれば、税が免除され、しかも韓商連の格(グレード)がアップされ信用力が増す②取得するには、「法令遵守」(コンプライアンス)の立場から民団中央の傘下団体から離脱しなければならない−−と喧伝した。のみならず、一方的に傘下団体離脱を宣言した。
しかし、①も②もウソだった。彼らは、いまだに「法令遵守の立場から民団中央の傘下団体から離脱した」と主張している。だが、管轄機関である経済産業省は、①民団が商工会議所法第4条の「特定団体」に該当するかどうかを判断する立場にない②「特定団体」かどうかは民団と韓商連との内部問題−−との見解を明らかにし、朴忠弘氏一派のいう「民団傘下団体=法令遵守違反」なるものは、存在しないと回答している。
しかも、彼ら自身、韓商連問題に関する駐日大使館の収拾案に対する返答の中で、「一般社団法人を認めれば傘下団体に復帰する」と表明しているのだ。
2人3脚で発展
彼らは、このように初めからありもしない「民団傘下団体=法令遵守違反」を言う前に、自らも重責にあった民団組織の法令遵守に率先して努めてしかるべきだ。
そもそも韓商連は、民団中央と地方韓商の2人3脚で結成され、民団の傘下団体として活動、発展してきた。洪釆植会長がインタビューで指摘しているように、韓商連は民団の規約に則って活動し、民団の最高意思決定に参与する中央委員や代議員の配定を受けており、歴代会長は中央執行委員になっている。朴忠弘氏も例外でない。
彼らが、韓商連問題でキーワードとしている「コンプライアンス」とは、一定の目的を持つ団体がそれを追求・実現するに当たって、関係法令を遵守することである。そうすることにより社会から信頼されていく。だが、彼らの実際の言動は、「法令遵守」とは正反対だった。
朴忠弘執行部の韓商連が、民団中央から規約および傘下団体規定に基づき直轄処分を受けたのは重大事項である「傘下団体脱退」を民団中央と事前協議することなく一方的に表明し、その既成事実化に固執したからだ。
のみならず、地方韓商および民団中央に虚偽報告するなど、法人格取得と関連した一連の行為が、意図的に組織体系を無視し、民団社会に混乱と分裂を招く組織破壊行為に該当するためだった。
傘下団体が民団から離脱したり定款、規約を変更する場合には、民団の「傘下団体規定」に基づき民団中央委員会の承認が必要だ。しかし、朴忠弘執行部の時に傘下団体の離脱、定款、規約にかかわる名称の変更が中央委員会の承認を得たことはない。
それにもかかわらず、朴忠弘氏一派は、その後も虚偽文書を乱発、官憲を韓国中央会館(東京・港区南麻布)に踏み込ませ、そのうえ、提訴を連発、刑事告訴まで行っている。
除名処分は当然
彼らは民団中央監察委員会の事情聴取要請をも拒否した。結局、中央監察委員会によって朴忠弘・崔鍾太氏ら4人は除名処分となった。彼らによる提訴や告訴は「民団組織において規約の条項に抵触し、規約に基づいて処分された者は、当該問題に関して不服があっても、司法に提訴してはならない」との民団の「規約運用に関する見解統一」に真っ向から反する。
韓商連問題の解決に向けて大使館がこの間に提示してきた収拾案の基本姿勢「裁判など日本の関係機関を通じた解決は不可」をも無視するものである。一連の経過を踏まえれば4人の除名処分は当然だ。
「傘下団体離脱」を宣言し強行したのはほんの一握りのグループに過ぎない。韓商連は昨年5月の第50回定期総会で洪釆植会長を選任し、民団は直轄を解除した。
朴忠弘氏一派が、今でも在日同胞社会の唯一の指導団体である民団および同胞社会を大事に考え、「民団を混乱、破壊させる意図はなかった」というならば、かつて自らも重要な一翼を担った民団のルールを遵守し、速やかに提訴や告訴を取り下げるべきだ。
(2013.5.29 民団新聞)