掲載日 : [2004-01-01] 照会数 : 8881
活力あふれる同胞社会創造へ 各界・機関新年辞(04.1.1)
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生活、教育、福祉の民団へ希望と自信を持ち力強く
民団中央本部議長
姜永祐
親愛なる全国の団員の皆さん!クァセ アンニョン ハシムニカ(新年明けましておめでとうございます)。
今日の世界の多様化に伴い、在日同胞社会の多元化、価値観の多様化も進み、祖国や民団に対する要求も様々なものになってきています。その意図をくみとり、適切な対応と団員の力をまとめ、一つのエネルギーとし、方向付けをしていく作業も今後の民団の重要な仕事の一つでしょう。
民団組織も定住志向の若者の考えを実現する組織でなければなりません。この日本の地で生活をいかに安定させるのか。「生活の民団」(経済の民団)として、まず日本で「安心して住める場づくり」が必要でしょう。同胞がそれぞれの専門分野での専門性を生かし、自らを肯定し、力強く歩み出すことです。同胞系信用組合の育成強化もそのうちの一つです。
第二は、「教育の民団」(文化の民団)とならねばなりません。
民族教育なくして在日の明日はないと私は考えます。民族共属意識が育つ時、民族の明日が見えてくるのです。
第三は、「福祉の民団」です。老齢化社会を迎え、在日も例外ではありません。今、民団中央本部を中心に各地の支部会館を活用してデイサービスなど福祉活動に努めていることは喜ばしいことです。これこそ新しい民団像の象徴でもあるのです。
団員の皆さん!希望を持って、わが民族を自信を持って、力を合わせ生きていきたいものです。それがわが民団を力強く育てていくことでもあり、新しい民団像の誕生でもあるのです。
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ボトムアップに即応した改革推進へ決意を新たに
民団中央本部監察委員長
金廣昇
昭光の清々しい甲申年の元旦を迎え、謹んで新春の祝詞を述べ、諸先輩並びに団員の皆様と共にこの慶賀にひたり、新たな決意と希望のもと創造と挑戦に立ち向かおうではありませんか。
私たち民団も不況の中で変革を余儀なくされ、組織機能や組織の構造改革をはじめ脱北者支援、朝鮮総連系離脱者の受け入れ、韓国学校の大学受験資格認定、地方住民投票権獲得、同胞歴史資料館設置、民族教育振興、各地方ごとの特色ある事業の創案を図るなど、大きな事業や運動を進めてまいりました。
昨年の全国支団長交流会や監察委員研修会などは、地域振興に密着した事業を開拓する上での有益な生の声として大きな意義がありました。
これらを踏まえて、新たな組織改革や創造的な事業展開をする上での絶好の機会であり、真に的を射たと言わざるを得ません。
本団の当面課題として人材確保、後継者育成、財政確立、意識改革などの組織の刷新に取り組んでいます。昨今、地方組織にも若い階層の幹部職員が著しく台頭するような変化が現れ、中央本部でもこれらの現象をとらえ、創団精神はもとより新たな理念や価値観など幅広い研修会や会議を通して時代にそぐう改革を推し進めねばならないと痛感いたしております。 旧年は皆様の信託を得て、この重責を負うにいたりましたが、この間の示唆に富んだ忠告やご高見を参酌し、渾身の力を込めてこの難局打開と新しいニーズと課題に取り組む決意を新たにし、期待に応えるべく努力を傾注いたします。
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益々韓商の力必要に
在日韓国商工会議所
会長 金建治
新春のお慶びを申し上げます。
先ず私は、今年こそ韓・日経済が落ち込むことなく、上向きカーブで遂行することを確信し、2004年のスタートを切りたいと思います。
漸く底を脱し上向く兆しを見せていた日本経済の出鼻を挫くかのように、足利銀行が債務超過で国有化され、足利に続く銀行も10行に及ぶという数がささやかれています。来年4月の完全ペイオフに向け、不安要素がまだまだあるということでしょうか。
しかし、われわれ在日韓国商工会議所は、2003年度の強化事業であります税務・組織・渉外・総務の各委員会が活発に活動し、今年は更に充実強化に向け推進していく所存です。
税務相談未設置の韓商の立ち上げも確実に進んでいます。公的融資・消費税に関するセミナー等、商工人に関係の深いテーマを積極的に提供し、会員の深い関心を集めています。
また、会員皆様のお役に立つ活動だけではなく、商工会議所自体の体力強化にも並行して取り組んでおります。対外的には、「韓商大会」を通しての各国からの引合いも、窓口を設けビジネスマッチングに努めています。
今後、ますます商工会議所の力が必要とされると思います。私は、いつでもどんな時でも「ハミョン テンダ(やれば出来る)」の精神を忘れず、やってまいりましたし、これからもやっていきます。
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広域視野に統合推進
在日韓国人信用組合協会
会長 洪采植
日本経済は僅かながら回復の兆しを見せ、株価が1万円台に回復する等、企業業績も上向きになって来たので、今後、景気は回復傾向となるのではないかと期待しております。
しかし、金融面では激震が続く一年であったと言えます。以前から金融業界では税効果資本の見直しが論議されていましたが「りそな銀行」と「足利銀行」が、監査法人の決算否認を契機に公的資金注入を余儀なくされたことは金融業界にとってまさに衝撃的な出来事でありました。このことは地銀以下中小金融機関に対する金融当局の指導が本格化する表れとして深刻に受け止めております。
当協会会員組合は来年4月のペイオフ完全解禁を乗り越えて生き残るべく懸命な自助努力を続けており、当協会においても昨年、協会創立以来初となる会員組合統一預金キャンペーンを実施し、目標の500億円を上回る預金増強を達成しましたが、今後も会員組合の資本増強等による経営基盤強化に努めると共に広域を視野に入れた合併・統合を推進して行きたいと考えております。
これから会員組合が民族金融機関として生き残っていくためには自助努力はもちろん大切でありますが、在日韓国民団中央本部や在日韓国商工会議所など在日関連機関を含む在日社会からの支援が必要不可欠でありますので、皆様の多大なご支援・ご協力を賜りたく、重ねてお願い申し上げます。
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今後も声援・激励を
新韓金融持株会社
会長 羅應燦
甲申年の新年を迎え、在日同胞の皆さまの家庭に健康と幸運がありますようにお祈りいたします。
合わせて昨年1年、変わりない愛情と関心で私ども新韓金融グループをご声援、ご後援して下さり、全任職員を代表して深い感謝の言葉を述べます。
周知の通り、新韓金融持株會社は昨年、国内最古の銀行である朝興銀行を成功裡に引き受け、グループ社が全部で11社となりました。資産規模も160兆ウォンで国内2位の金融グループに跳躍しました。
また、ニューヨーク証券取引所への上場に成功し、透明性、成長性、収益性の面でも国際的に認定を受けたと言えるでしょう。
私をはじめ任職員全員は、これに満足したり、自慢せず、よりいっそう奮発して韓国の中の一流にとどまらず、世界一流の金融グループにしていくよう努力していきます。
在日同胞の皆様の母国愛の発露で設立された私ども新韓金融グループは、これまで以上に早く世界の金融の中心にそびえ立つことができるようこれまでと同様に、今後も皆さまからの惜しみない声援と激励を送っていただき、多くのご指導ご鞭撻をお願いする次第です。
在日同胞の皆さまがなさるすべての事業が順調に成就されますことを望むとともに、在日同胞社会と「民団新聞」の永遠の発展をお祈りいたします。
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30周年迎え更に飛躍
在日韓国人本国投資協会
会長 郭正昭
皆さんご存じの通り、当協会の仕事は本国への投資を望む在日韓国人の手助けをすることで、本国に事業所を持たれた会員には、事業をしていく上で生じた問題の解決を助けたり、有益な経営情報を提供したりします。また、会員同士、親睦を図る機会を提供したりしています。経済分野で本国と在日の架け橋になっていると言えるでしょう。
ところが、一時期に比べ在日の本国投資が激減しています。ウリマルをよく知らない日本生まれの在日が実務の第一線に出てきたからでしょう。しかし、昨年発効した韓日投資協定(BIT)、そして2005年の締結を目指し交渉中の韓日自由貿易協定(FTA)、これらは日、中、ASEAN、韓国の市場が一つになる東アジアFTAの前段階です。
また、本国政府はこれを視野に入れた東アジア経済中心、すなわち東アジアハブ(HUB)構想を推進しています。経済は今、ブロック化、世界化の波に乗ろうとしています。覇気に満ちた若き在日が、本国を足掛かりに東アジアの大きな舞台に、ひいては世界の舞台に羽ばたくお手伝いができればと思っています。 当協会も今年創立30周年を迎えましたが、事業領域を拡大するなど、新たな飛躍に向けて挑戦し続ける所存です。
今年は世界的な景気の回復が予想されていますが、これまでの停滞を払拭し、実り多き一年となることをお祈りいたします。
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韓日関係の深化期待
駐日本国大韓民国特命全権大使 趙世衡
親愛なる在日同胞の皆さん、2004年の新年を迎え、同胞の皆さんに新年のごあいさつをいたします。2003年を振り返ると、実に多くの出来事が起きた1年でした。
何よりも昨年2月、盧武鉉大統領の新しい政府が出帆し、6月には日本公式訪問が成功裡になされ、韓日友好協力関係がより一層強化されたと言えます。昨年末には金浦と羽田を結ぶ韓日間シャトル航空便が運航を始め、韓国と日本を巨大で活力ある一つの経済圏に連結させる韓日自由貿易協定締結のための政府間交渉が開始するようになりました。
しかし、多少の回復兆候を見せてはいますが、いまだに持続している日本経済の沈滞とともに、在日同胞の経済的活動が全般的に萎縮しているのは、実にもどかしいことだと言わざるをえません。
このような困難を在日同胞の経済人は克服していくため、積極的な努力をしていることは非常に鼓舞的で、政府としても可能な支援のための努力を継続していきます。
また、昨年は総選挙を通して小泉総理の第2期内閣が出帆した年でもありました。韓日間には過去の歴史問題が依然として残っています。しかし、2002年の韓日ワールドカップ大会の成功的共同開催を契機に強化された相互の信頼と友好関係、そして昨年新たに出帆した韓日両国政府間の交流と協力をより重視するパートナーシップ精神によって、過去のどの時よりも両国関係は友好協力的だと言えます。
このように両国関係が緊密になり、韓国の国際的位置が高くなったことにより、在日同胞もこのような良い環境を積極的に活用し、同胞社会の発展と権益向上のために努力をしていかなければなりません。
今年は日本文化に対する開放措置の最後の段階として、事実上日本文化に対する全面開放がなされる年です。わが国の文化の優秀性と多様性が、日本とのより活発な文化交流を通じて両国の文化水準を一段階高め、両国民間の友好協力精神がより深化することを期待します。
2004年の希望の太陽が高く上がっています。私たちすべてが昨年の困難を克服し、希望と喜びで新年を迎えましょう。そして、活力あふれる在日同胞社会の創造のために皆が力を合わせ努力していきましょう。在日同胞の皆さんの家庭に健康と幸福が常にあることをお祈りいたします。
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老人ホーム建設1日も早く
在日本大韓民国婦人会中央本部
会長 金定子
明けましておめでとうございます。
婦人会がかねてからの宿願である老人ホーム建設計画も民団とともに歩むことになり、昨年9月20日に民団福祉事業推進協議会が発足することで、一歩一歩前進しています。
また、婦人会では資金確保と知識を高めるために、「千字文」を目と耳で覚えるため、カレンダーとテープを作り、販売をしておりますが、全国で大きな反響を呼んでいます。高齢化社会に向け、子どもや孫に負担をかけぬよう、健康に留意して一日も早く老人ホームを建てようではありませんか。
在日同胞にとって待望のノンバンクの銀行、SHキャピタル株式会社が発足し、今年の2月をめどに営業開始されることになり、心より祝福いたします。
世界的経済も回復の兆しを見せ、今年度成長率5%〜6%となり、在日同胞にとっても明るい年となることを信じてやみません。
創立55周年の時の熱気と組織に対する思いをこれからも持ち続け、小さな力がやがて大きな力になることを信じ、一日も早い成就を願います。
今年も皆様によりよい年でありますようお願い申しあげ、婦人会への御支援、御協力のほどお願い申しあげ、新年の辞とさせていただきます。
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次世代を担う青少年育成へ
在日本大韓体育会中央本部
会長 許寧太
本会は、優秀選手の発掘・育成はもとより、スポーツを通した在日同胞青少年の健全育成と民族意識高揚、在日同胞の親睦体育事業「ふれあい体育広場」の推進拡大に努力致しております。
特に昨年は、本会はもちろん、青年会、学生会が参画推進したボウリング大会が拡大開催されましたことは、大変喜ばしく存じます。
また、50回目の出場となりました第84回韓国国体に派遣した在日同胞選手団(鄭進団長、176人)は、海外同胞部門(12カ国)で、劇的な総合優勝の栄冠を勝ち取ることができました。
何よりも、高校・大学生を中心とした次世代を担う若い選手から、「初めて新鮮な感動を覚えた、在日である誇りに目覚めた」等の感想を頂き、改めて現場での青少年育成と民族教育の必要性を痛感致しました。
在日同胞選手団派遣事業は、1949年から現在まで50余年間に述べ7000人の選手団を派遣することができました。 このような各種スポーツ事業に多大なご支援を頂いております民団をはじめ在日同胞皆々様に心から厚くお礼を申し上げます。
未来を担う在日青少年のご活躍、在日同胞皆様のご多幸とご家族のご健勝をお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
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一丸となって組織改革推進
在日本大韓民国青年会中央本部
会長 壽隆
本会では、昨今の政治家によって繰り返される歴史認識に関する「暴言・妄言」に対し、発言の撤回と謝罪を強く求めてまいりました。歴史修正主義者の動きは、日本社会の「右傾化」の流れとあいまって、大きな力になりつつあります。そして市民の歴史意識のみならずマスメディアにまで、その影響が及ぶことが大変危惧されます。
私たちは、今年に控えた「教科書検定」に際しても、植民地主義の反省の上に立ち、人類が再びこのようなことが繰り返されないよう、警鐘を鳴らし続けるという重要な使命があることを肝に銘じなければなりません。本会が取り組んできた「歴史を伝える運動」は、そのための一助となるよう、力を注いで行きたいと思います。
また、本会が重点方針として取り組んでおります「組織構造改革と人材育成」については、第一段階の大胆な改革が着々と進行しています。「人材の育成」は一朝一夕には成し遂げられるものではありませんが、これまでの取り組みは着実な歩みを進めております。組織の基礎体力を高め、社会の変化に対応しうる組織作りに、全国一丸となって邁進していく所存です。
本年も変わらず、皆様の温かいご指導、ご鞭撻、ご支援の程、宜しくお願い申し上げ、新年のご挨拶といたします。
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「在日参戦史」早期に発刊へ
在日学徒義勇軍同志会
会長 権東國
振り返れば50余年前、あの忌まわしい「6・25動乱」当時、国土の山河を血で染め屍の山を築き、祖国の自由と平和の息の根が風前の灯にあるとき、その灯を守るために立ち上がったのがわれら在日義勇軍であります。
祖国守護の第一線に642人が勇敢に出兵し250余人が除隊、日本に帰還して国家安保の橋頭保として持続的に活動して参りました。
時は過ぎましたが、その事実と歴史が消えることはありません。
最近、国内の一部政治家や左傾学生たちは、民主を偽装し、われらが生命を賭して守り抜いた自由民主主義体制を転覆しようと各方面に浸透し、さまざまな騒擾事件を起していますが、祖国の危機に自願出陣し、戦死した135人の在日青年学徒たちの歴史的事実が忘れ去られぬよう、本会では『在日同胞6・25韓国戦争参戦史』を一日でも早く発刊しようと努力しております。
2004年が在日同胞一人ひとりにとって幸多い年になることをお祈りするとともに、同胞の皆さんの厚いご支援を心からお願いしながら新春のごあいさつといたします。
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科学技術者の役割一層大に
在日韓国科学技術者協会
会長 洪政國
昨年は創立20周年を会員並びにご家族、関係者と一緒に祝うことができました。
発足当時、科学技術という、在日同胞社会では特殊な分野、科学技術者といういわば特殊な人種の集団であることから、在日同胞社会からどれほどの理解と協力を得られるのか、在日同胞の科学技術者がどれほど発掘できるのか、南北が同居し対峙する特殊な状況にあり、日本という国で生活する在日同胞社会でどのように活動し、発展させられるのかなど、挑戦すべき事柄がたくさんありました。
その間、祖国では1970年代の「漢江の奇跡」に次ぎ、再び奇跡的な経済発展を成し遂げ、世界のトップクラスの経済・産業国家になりました。これは70年代から長年、韓国政府が科学技術立国を標ぼうしてきた成果です。そして今日、「第二の科学技術立国」を目指しています。
また、在日同胞社会では、世代の交代や産業構造の変革がある一方で、大学や大企業で活躍する同胞の科学技術者が増えています。このような変革の中で、科学技術に対する期待と科学技術者の役割はますます大きくなると信じています。
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ネットワーク構築し絆拡大
在日本大韓民国学生会中央本部
会長 朴裕植
2004年という新しい年を迎えまして、在日同胞の皆様に新年のご挨拶を申し上げます。
1世、2世の方々の努力によって、私たち3世、4世は、今日、日本社会で普段の生活においてそれほどの支障もなく暮らせるようになりました。
しかし、私達在日学生は、日本で住みながらも日本人とは、また同じ机を並べた同級生とは違った文化・風習をもっており、国籍、通名・本名、冠婚葬祭など、さまざまな違いを生み出しています。
その違いを日本社会が差別としてではなく、寛容に幅広く受け入れるよう、本会は、新たな在日学生のネットワークを作り、工夫を凝らした独自のイベントを開き、在日の学生同士の交流と日本社会に対しての理解を深めてきました。
今年も在日同胞社会を活気づかせ、絆をいっそう強めていくために、各種イベントやインターネットを活用したネットワークの拡大に努め、さまざまな価値観を受容し、在日同胞と日本の共存社会の構築をめざし活動していく所存であります。
(2004.1.1 民団新聞)