三星とSKT
SKテレコムは5日までスペイン・バルセロナで開かれている「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)2015」で三星電子とともに5世代(5G)移動通信の核心技術のひとつ、「3Dビームフォーミング(beamforming)」を公開中だ。この通信技術は特定方向に強い電波を送信して電波方向を制御する方式で、超高周波帯域の電波妨害現象を解消する。この技術を活用すれば、ミリ波(millimeter wave)帯域で7・55Gbps(ギガビット毎秒)の超高速データ伝送が可能となる。
ミリ波帯域は30〜300GHzの超高周波帯域で電波妨害を受けやすく、長距離通信用には不向きだと言われてきた。しかし、移動通信に主に使う6GHz以下の周波数帯域がひっ迫し、5G移動通信サービスのためにはこの帯域を活用できる技術開発が必要とされていた。SKテレコムと三星電子は超高速データ伝送のためのアンテナ技術である3Dビームフォーミングを使い、電波妨害問題を解決した。
今回実演されたサービス速度は三星電子とSKテレコムが昨年10月、ワールドITショーでミリ波技術を通じて実現した速度(3・77Gbps)の2倍だ。当時、2社は2020年の商用化に向けて共同研究開発を推進する覚書を締結していた。
<三星>新型ギャラクシー2機種を公開 4月10日発売
三星電子では同展示会でスマートフォンの最新モデル「ギャラクシーS6」と「ギャラクシーS6エッジ」を発表した。ボディには飛行機に使われるような軽い金属素材を採用。前面と背面にはコーニング社のゴリラガラスを採用している。発売開始は世界20カ国で4月10日。
スマホシェア世界1位の三星電子は昨年、ハイエンド市場で米アップル社の「iPhone6」の反撃や、中国メーカーで中低価格市場を狙った華為技術(ファーウェイ)の攻勢に押され業績が振るわなかった。
三星電子ではプライドを取り戻すため全社を挙げてギャラクシーS6の開発を推進してきた。
S6の特徴のひとつは素材。質感や色感、特性が全く異なるメタルとガラスを一つの素材のようにつなぎ合わせた。洗練されたデザインとともに、グリップ感やタッチ感度などを向上させた。
最新技術を導入したのも特徴だ。充電パッドの上に本体を置くだけで充電されるワイヤレス充電機能や同社独自の決済サービス「三星ペイ」を搭載した。前シリーズ、S5の1・5倍速い有線充電も目を引く。消費電力を最適化し10分の充電で約4時間の使用が可能だ。
同社が開発したモバイル業界初となる64ビットモバイルプロセッサー「エクシノス」と世界最大容量(128GB)のスマホ用フラッシュメモリー(UFS)を搭載し動作を高速化。消費電力も半分程度に抑えられ、バッテリーも長持ちさせた。
また、「S6エッジ」では、業界初となる両側面に曲面ディスプレーを採用し立体感を高めた。
三星電子の申宗均IM(IT・モバイル)部門社長は「S6とS6エッジは世界のモバイル業界がめざすべき新基準を提示するスマホ」と紹介した。
(2015.3.4 民団新聞)