掲載日 : [2019-12-30] 照会数 : 9012
埼玉・上尾市議選、在日同胞が初当選…祖父は元民団埼玉団長
[ 荒川まさひろ議員 ]
トップと43票差
【埼玉】在日3世の荒川まさひろさんが任期満了に伴う昨年12月1日の埼玉・上尾市議選に立憲民主党から立候補し、31歳の若さを前面に出して初当選を決めた。トップの自民推薦候補との票差はわずか43票。祖父は80年代に民団埼玉本部の第20代団長を歴任した故李在昊さんだ。
市議選への出馬は知り合いだった議員の勧めだった。それならばと、2018年10月、日本国籍取得を申請し、翌年7月下旬に認められた。そのまま選挙戦に入り、子育て中心世代を主なターゲットに「子どもの居場所づくり」を訴えてきた。選挙中、「(元)韓国人で反社会勢力とのつながりがある」とする怪文書が出回った。荒川さんは「暇なやつもいるもんだ」と意に介さなかった。出馬にあたっては「李昌佑(まさひろ)」で打って出ることも考えたほど。気持ちこそ日本人だが、ルーツは韓国。過去の自分まで否定したくなかった。
4人兄弟の2番目。李の本名は物心ついたときから名乗ってきた。物おじしない明るい性格でクラスメイトから好かれた。小学校6年生の時に児童会長、高校1年生では生徒会長に就任した。政治家としての資質は天性のものがあったようだ。
青商の家族旅行や民団のクリスマス会にも出ていた。在日1世の祖父にはとりわけ可愛がってもらった。「外食や銭湯などいろいろな所に連れて行ってもらいました。お使いに行った時のお駄賃がとても楽しみで足しげく通いました」。立憲民主党が上尾市議会に議席を確保したのはこれが初めて。