掲載日 : [2017-05-31] 照会数 : 6198
韓国の「俗信」いろいろ…喜教授が解説
[ カササギ ] [ ソンピョン ]
今も社会に一定の影響力
韓国文化院講演会シリーズ「韓国の俗信の世界」が17日、東京・新宿の同院ハンマダンホールで開かれた。講師の喜東海大学国際教育センター教授は、韓国の社会で広く信じられてきた迷信や言い伝えを、自らの体験を交えながら紹介。後半は参加者も加わり、正しい俗信を当てるクイズも行われた。俗信は日本と共通のものもあれば、似て非なるものもある。また、世代によっては知らない内容や守らなくなっているもの、現代版の俗信も誕生している。抜粋して紹介する。
男は手羽先を食べると浮気する
俗信は、昔から「そう言われている」という迷信や言い伝えのことで、予兆、ト占、禁忌、符籍、呪術などがある。
<予兆>「耳がかゆいときに、自分の噂をしている」「烏が鳴くと悪いことが起きる」。
<ト占>「豚の夢は縁起がいい」と思っている韓国人は多い。
<禁忌>日本では、玄関で靴を脱ぐと外向けにおくが、韓国では靴を外向けにおくと死ぬ、という意味もあるので気をつけたい。特に戒律の厳しい韓国の寺では、仏に尻を向けるのは絶対にあってはならない。仏像があったらあとじさりしながら、部屋向きに置いた靴を履く。
<呪術>韓国では「お母さんの手は薬手」と言われている。お母さんが「赤ちゃん(子どもの名前)のお腹はウンチのお腹」と言いながら痛いところをさする。
<符籍>はお守りのことで、これを持ち歩くと悪いことが起きないと信じられ、サラリーマンまでも持っているという統計もあるという。
「赤ちゃんを抱っこして重いと言ってはいけない」
昔、太っていることは美徳だったという。重い(太っている)ことに嫉妬した神が赤ちゃんを連れ去るので、口にしてはいけない。かわいいも嫉妬の対象になる。
「石仏の鼻を粉にして飲むと子宝に恵まれる」
昔、嫁を追い出す理由のひとつが、男の子が産まれない、子どもができないことだった。鼻は男の象徴でもあることから女性たちは石仏の鼻を落としたという。
「徳寿宮の石垣道を一緒に歩いたカップルは別れる」
都市伝説として浸透している。
「朝、カササギが鳴くと大事な客が訪ねて来る」
カチ(カササギ)は昔から縁起の良い鳥とされ、嬉しい便りをもたらすと言われてきた。
「ソンピョンをきれい作れる人は可愛い娘に恵まれる」
ソンピョンは、韓国の秋夕(旧盆)の前夜に家族総出で作る餅。上手に作ると可愛い女の子を産めると伝えられており、韓国全土で長い間、守られてきた。
「誕生日にクッスを食べると長生きする」
クッス(麺)は長寿を意味する。結婚式で出席者にクッスをふるまうのは、長く幸せにという思いが込められている。独身の人から「いつクッスを食べるの」と言われたら「いつ結婚するの」という意味になる。
「男は手羽先を食べると浮気をする」
男が手羽先を食べると、羽をつけてどこかに飛んでいくという意味。昔、男は食べることは許されなかった。
「歯の欠けた器は縁起が悪い」
韓国では歯の欠けた器を出されると、自分は無視された思う。
「名前を書くときに赤を使ってはいけない」
死者の名前を赤色で書くので韓国では使わない。
(2017.5.31 民団新聞)