掲載日 : [2016-06-29] 照会数 : 6527
ベルリンオリンピックマラソン優勝80周年「父、孫基禎を語る」…韓国歴史文化講座
[ 遺影を前に講演 ]
【神奈川】神奈川韓国綜合教育院(金栄哲理事長)の第3回コリアンカルチャーサロン(韓国歴史文化講座)が21日、横浜市神奈川区の神奈川韓国会館で行われ、孫正寅氏(民団横浜支部前事務部長)が「父、孫基禎マラソン優勝80周年」と題して講演した。
孫基禎翁は植民地統治期の1936年、ベルリン・オリンピックに日の丸を胸にマラソンランナーとして出場し、トップでオリンピックスタジアムのゴールを駆け抜けた。正寅氏は講演で、君が代が流れる表彰台で父がメダルを手にしたときの屈辱と、その後の苦難の生涯を語った。
正寅氏は「日本の子どもたちに講演しても、父のことを知っている子がいない」「韓国の子どもたちは知っているが、日本の代表だったことは知らない」と残念がった。
孫基禎翁は解放後、大韓体育会の副会長や韓国陸連会長、韓国オリンピック委員会(KOC)常任委員などを歴任。88年ソウルオリンピックでは10万人の大観衆の見守るなか、聖火ランナーの一人として1キロを走った。
正寅氏は「父は世界でいちばん幸せな人であった」「父の残した功績を語っていくことが自分の役目」と語った。
(2016.6.29 民団新聞)