掲載日 : [2010-12-22] 照会数 : 11171
厳しい安保状況再認識 統一部主催本国研修会
【ソウル】民団幹部を対象とした統一部主催の統一問題本国研修会が1日から3日まで、ソウルの統一教育院で開かれた。民団中央本部の金昌植監察委員長、許孟道、韓在銀、林三鎬副団長、平和統一推進委員、新任地方本部団長、地方本部および中央傘下団体の事務局長ら60余人が参加。天安艦撃沈事件に続く延坪島無差別砲撃などで緊迫した南北関係の現況と問題点を把握すると同時に政府の対北・統一政策に対する認識を深め、祖国の平和・安定・繁栄へ日本および在日同胞社会における民団の役割を再確認した。
対南挑発強まる危険
民団 平和・安定へ役割確認
講義は、統一教育院教授が担当。「南北関係と対北政策」では、韓半島周辺情勢の変化と周辺国の韓半島政策などを検討し、金正日国防委員長の2度にわたる中国訪問の意味と中国側の対応、日本の核政策などに言及した。
さらに、政府の「共生と共栄に向けた非核・開放・3000構想」の意味と北韓核問題をめぐる「6者会談」への対応について説明を受けた。
「北側と無条件に交流を推進し、北側の変化を待つ」という前政府時代の機能主義的アプローチに対して、現政府は「条件付き交流を通じて変化を促す」という新機能主義的アプローチにより、統一に向けて南北関係の着実な発展をめざしていることが強調された。
「北韓の実情と最近の動向」では、2000年代に入り経済管理改善措置(02年7月)を通じ市場経済要素を一部導入し経済改革を試みたが、副作用の拡散に対する恐れから住民と市場に対する統制を強化するためにデノミ(通貨単位の切り下げ)を断行したと分析。後継者問題について、06年下半期に三男の金正恩が内定し、08年の金委員長の健康悪化以後急速化したとの解説が行われた。
さらに、北韓では対外的には「核保有国」と認められることをめざしており、先軍政治、先軍経済を継続しながら「強盛大国の大門を開く」という12年にすべての照準を合わせている。このため、来年は、対南挑発がもっと強まると、その危険性が指摘された。
講義に先立ち統一教育院作成の「統一問題の理解」「北韓理解」の2冊が配布された。また、「韓日関係の現況と主要懸案」に関しては、外交通商部日本課長が講義した。
研修参加者は2日、京畿道平澤の海軍第2艦隊司令部を訪問、今年3月に西海の北方限界線(NLL)南方で北韓軍により撃沈された後、引き上げられた哨戒艦「天安」を視察した。また翌日には、「天安」撃沈に使われた魚雷の動力装置残骸が展示されている戦争記念館を訪れ、厳しい安保状況を再認識した。
(2010.12.22 民団新聞)