掲載日 : [2017-03-02] 照会数 : 4983
<会社設立>韓国本社の代表と日本支社の代表は兼任できますか?
韓国でIT企業を経営しています。近々、設立メンバーのひとりである在日韓国人が日本に戻ることになり、この機に販路拡大も視野に、日本支社を出すことになりました。韓国本社の代表が日本支社の代表を兼任することは可能でしょうか? また、日本で支社を設立するうえで必要な手続き全般についてご指南ください。
【回答】
日本国から見れば、韓国の会社は外国会社になります。外国の会社が日本国内で継続して取引をするためには、日本における代表者を定め、その登記を完了しなければなりません。添付書面としては、①本店の所在地を証する書面(定款、韓国の本社の登記簿謄本など)、②日本における代表者の資格証明書(任命書、契約書、韓国の代表者の宣誓書など)、③会社の定款もしくはその会社の性質を識別できるもの、④日本における公告方法を定めた場合はそれを証する書面(公告方法の定めがない場合は、官報公告になりますので、添付不要)
①から④までの添付書面の全てにおいて日本語の訳文を添付することと、原則的には、本社の代表が韓国の公証人センターで認証手続を行なったものを添付すべきですが、駐日韓国大使館または総領事館で宣誓供述書の認定が認められているので、宣誓供述書を添付することもできます。この場合には、韓国本社の登記簿謄本など、日本の代表者を定めた議事録、日本の支店所在地を定めた議事録などの添付が必要です。また、宣誓者本人を確認できるものを用意する必要があります。
支店設置においては、まず、日本における代表者を定めることが肝心です。
日本における代表者は、日本における業務に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有するので、複数でも構わないが、1人以上は必ず日本に住所を有する者でなければなりません。
営業所の設置は会社の自由ですが、営業所を設置しない場合は、日本における代表者の住所をもって支店の所在場所とみなされます。
韓国本社の代表者が日本支店の代表を兼ねることは可能ですが、現実的な問題として2012年7月以降、外国人登録制度が廃止され、3カ月以上日本に滞在することが認められていない短期滞在ビザでは在留カードの収得が出来なくなりました。例えば、韓国の代表者のみが日本における代表者となる場合に、日本における住所を定めるための手続は短期滞在ビザでは困難になりました。日本に住所を有する信頼できる方を日本における代表者に定めることが、手続上には、無難であろうかと思われます。
支店設置の場合は、日本における代表者個人の実印と印鑑証明書、会社の実印が必要になりますので、準備しておくべきでしょう。