「森は総合病院。医師も、メスも、薬も不要の、自然が与えた病院だ」。山林庁の申元燮庁長がよく口にする言葉だ。忠北大学の山林治癒学科教授時代、校内暴力の加害者や被害者を対象に森林治癒プログラムを実施し、大きな成果をあげた。
4月に大田で開催された「山林の癒し体験手記公募展」授賞式では、さまざまなエピソードが紹介された。「脳梗塞で倒れ、うつ病にかかっていた母親が森で病気を治し、日常生活が可能になった」「乳がん手術で疲れきった体や心を山村生活で克服できた」「アトピーや小児うつ病などを抱える子供を森で回復させた」「結婚詐欺によるうつ病と対人恐怖症を森で克服できた」など、森の名医ぶりを示す例は多い。
最近は、海洋警察庁と山林庁の協力で、海洋警察庁所属の警察官28人を「心理治療プログラム」に参加させた。彼らは延坪島砲撃や中国漁船の密漁取締りなどで不眠や悪夢、うつ病などに苦しんでいたが、京畿道楊平郡の自然休養林で瞑想や体操を通じて、「心も身体も楽になった」と語った。
朴槿恵政府発足後、グリーン福祉国家の実現をめざし、山林福祉の必要性が強調されてきた。林学・医学・教育学専門家らの協力で、「見て楽しむ森」から「癒しの森」へ変わりつつある。
山林庁は17年までに、山林治癒サービスの受講者を100万人に拡大する計画だ。指導者育成のため、これまでの4校(カトリック大学、翰林聖心大学、光州保健大学、順天大学)に、忠北大学、東洋大学、全南大学を新たな育成機関として追加指定した。
(2014.5.7 民団新聞)