掲載日 : [2020-01-16] 照会数 : 10790
未来へ進む民団新成人…韓日の懸け橋を期待
[ ファイティングポーズの新成人(韓国大使館で) ] [ 李瑛子房主(左)から礼節教育を受ける東京の新成人(韓国大使館) ] [ 荒川支部会館で ] [ 新成人を代表して答辞を読む史萌菜未さん(大阪) ] [ 埼玉の成人式で答辞を読む ]
在日韓国人を対象とした成人式が各地で行われた。今年の新成人は99年4月2日から00年4月1日に生まれた人たちだ。ちょうど、金大中大統領と日本の小渕恵三首相が「韓日パートナーシップ宣言」を結んだ直後にあたる。各地の民団は21世紀の責任世代といえる在日同胞新成人に韓日の懸け橋としての期待をかけている。
13日の「成人の日」を前に各地の民団が在日同胞新成人の門出を祝った。在日同胞社会においても少子化が進み、新成人対象者も減少しているが、民団や青年会、学生会が次世代の発掘に奮闘し、企画の充実に力を入れている。12日、駐日韓国大使館での「在日韓国人成人式」(民団東京本部、駐日韓国大使館共催)には新成人50人が参加した=写真。
主催者側が「発想」「行動力」「情熱」を持って未来に進んでほしいと期待を寄せたのに対し、新成人は韓国語の取得と5000年の歴史を誇る祖国の歴史を学び、21世紀の責任世代として日本社会で積極的に活動すると共に在日同胞社会と祖国の発展に寄与していくと応えた。参加者の多くは民団のオリニ事業から育った人材だ。
東京 礼節教育を実地体験、駐日韓国大使館と共催
東京の在日韓国人成人式は駐日韓国大使館と民団東京本部が共催。12日、大使館大講堂に来賓と保護者を含め155人が参加した。このうち、新成人は50人(男性20、女性30)だった。
主催者を代表して金安那総領事と李壽源団長がそれぞれ祝辞を述べた。記念品は民団から高級ボールペン、大使館からはパスポートケースとタンブラーがそれぞれ贈られた。
答辞を述べた山下奈沙莉さんは国際基督教大学に在学中。東京韓国学校「土曜学校」でハングルに親しみ、好きな韓国ドラマのセリフを覚えることで韓国語を習得した。大学では今後、社会学を専攻していく予定。教職免許も所持しており、卒業後は英語の教員を目指している。
金公子さんは幼稚園からインターンナショナルスクールに通い、英語に不自由はない。現在、三軒茶屋にあるテンプル大学に在学中。同世代の仲間と出会い、「自分の将来を考えなければならない。刺激を受けた」と話した。
閔奎邰さんは日本経済大学で総合経営を学ぶ。生まれ育った韓国で小学校を修了し、中学から日本で暮らすようになった。韓国大使館での成人式には「感慨深いものがあった」と語った。
式典を終え、第2部では韓国茶礼道研究家の李瑛子房主から礼節教育を受けた。
荒川支部でも
東京・荒川支部(鄭在桓支団長)は11日、荒川区内の「サンパール荒川」で新年会とあわせて新成人を祝賀した。鄭支団長が「青年会と民団に積極的に参加してほしい」と激励し、一人ひとりに記念品を手渡した。
新成人を代表して金倫詠さんが「父母への感謝を忘れず、韓国人としての誇りを持って未来の在日同胞社会を担っていく」と答辞を披露した。
埼玉 親子2代での参加、ジャンボリー出身者も
【埼玉】民団埼玉本部(田虓玔団長)は11日、同本部で新成人の門出を祝った。
白京寿さんは日大歯学部に通う。付き添いの祖父は答辞を行う初孫の姿を見て誇らしげだった。母親も同本部で成人を祝ったという。
李智潤さんは来春の慶煕大学校入学を控え、いまは同語学堂で学ぶ。将来は通訳か翻訳業、または観光会社への勤務を夢見ている。丁愉真さんは歯科衛生士を目指して埼玉県立大学で学ぶ。オリニジャンボリーにも参加したという。
大阪 夢と希望の旅立ち…来賓多数が見守る
【大阪】民団大阪本部(呉龍浩団長)の成人式は12日、大阪韓国人会館で開催され、新成人70人の門出を祝福した。
呉団長は「新成人の皆さんは私たちにとって韓日の懸け橋となる希望の光。善隣友好と世界平和を願う国際人として活躍することを願っています」と期待を寄せた。
新成人を代表して史萌菜未さん(韓国体育大学校2年生)が「新たな門出を迎えた今、在日韓国人としての誇りを持ち、韓国と日本の懸け橋として活躍できる成人になり、先輩たちと大きな夢と希望をもって邁進していきます」と答辞を述べた。
新成人には記念品が贈呈された。駐大阪総領事館の梁宰國副総領事はじめ民団同本部3機関長や婦人会大阪本部の金秋江会長ら多数の来賓が見守った。
(2020.01.15 民団新聞)