在日韓国青年会の第43回定期中央大会が2月28日、新型コロナウイルスの関係で書面決議に代えて開催され、鄭昇栄会長(32)
=写真=を再選するとともに幹部活動者育成活動を最重点課題にした新年度活動方針を決めた。
中央本部が大会を書面決議に代えたのは1977年に結成して以来初めてとなる。
総括報告では新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、各地方本部の大会をすべて書面決議に代えたほか、多くの行事が中止または縮小せざるを得なくなったが、全国方針の「ワークショップ」は5都市でオンライン中継によって繋げるハイブリッド形式という試みが無事成功したことを担保に、今後も続けていく必要があると強調した。
新年度方針の基調では、「今後も続くこの緊急事態と戦うためにも、今一度全国が一丸となり組織をより強固なものにしていく必要がある。こんな時こそピンチをチャンスに変える取り組みを模索し、全国の幹部活動者が自主性を持って行動に移していこう」とし、①実働地方の組織活性化と人材育成②多種多様な人材を取り込み差別のない会へ③国際理解教育と民族文化振興の手助けを④変化に対応し、より多くの情報を在日同胞青年へ‐を新年度のスローガンに掲げた。
幹部活動者育成活動を最重点課題におき、基本方針として①コリアン・ユース・アカデミー(青年組織学院)②人権擁護活動③ハングル暦の制作と配布④広報・宣伝の拡充を展開していく。
幹部活動者育成では幹部及び幹部候補生を対象に▽組織力向上▽地方幹部育成とスキルアップ▽地方活性化への連結を目的として4月から2カ月ごとに5回にわたって定期研修会を開催する。
コリアンユースアカデミー3回開催
一般会員対象のコリアン・ユース・アカデミーも4、7、10月の全3回を開催する。コロナの状況を見ながら、いずれもリモート形式と会場形式を併行する。
広報・宣伝の拡充としてネットを活用したSNSと公式サイトのコンテンツ拡大、「あんにょんブログ」の充実化を図っていく。
役員改選では立候補登録期間中(2月1~14日)に鄭会長、呉碩周代表監査がそれぞれ単独で立候補し再選された。副会長には文英壽氏(30・前副会長)と新たに李紗栄氏(33・前宣伝部長)を任命した。監査は玄英由氏(35・前監査)。
再選された鄭会長は「コロナ禍の影響でさらに地方本部の弱体化が進んでいる。全地方本部を巡回しながら現状把握と組織の見直しを徹底し、全国の活動者が自主性を持ち、多くの仲間たちと尊重しあいながら活動できる会にしたい」と述べ、その上で、「私たちはここ日本で差別のない社会を実現するためにも、人権擁護活動に全力で取り組んでまいります。この様な時代だからこそ若い力を集結させ、みんなが手を取り合っていけるような素晴らしい社会にしていこう」と呼びかけた。
(2021.03.03 民団新聞)