掲載日 : [2022-12-08] 照会数 : 6502
<寄稿>中学生でもわかる「規約第75条但書(1)」(上)
[ 3月29日開催された第76回定期中央委員会 ]
常軌を逸した中央監察委員長の
「中央団長・中央議長停権処分」
朴容正・民団中央本部副議長
民団規約「第75条但書(1)」には「中央大会で選出された役員と顧問及び中央委員に対する懲戒は中央委員会の同意を得なければならない」と明記されています。つまり、「中央委員会の同意を得なければ、中央本部団長と中央本部議長を懲戒処分することはできない」のです。この「但し書き」は、簡潔にして明快です。「中央委員会の同意は事後でもかまわない」と付記されていない以上、「同意」は「事前」に限定されることは、中学生でも容易に理解できます。
中央本部の団長、議長をはじめとする中央委員に対する懲戒処分「決定」権は、中央委員会にあり、中央監察委員会にはありません。中央委員会の事前同意なしに勝手に懲戒処分はできません。してはなりません。今年3月の第76回定期中央委員会でも、「規約第75条但書(1)が定める『中央委員会の同意』は事前同意に限定される」との「監察機関職務検証委員会の検証結果報告書」が承認されています。
ところが、その職責からして誰よりも規約を順守しなければならない立場にある金春植中央監察委員長は、「中央委員会の同意を得ることなし」に、すなわち「規約を無視」して呂団長と朴議長に対する、それぞれ「停権3年」の懲戒処分を勝手に決定し、中央委員・代議員及び地方本部3機関長・中央傘下団体長に伝えました(7月14日付公文)。
さらに「処分確定通告」公文(8月14日)を作成し、「今後、呂団長と朴議長は、いかなる場合にも『団長』と『議長』の役職を使用してはならず、仮に使用したときは規約の定めるところにより応分の処分を検討することになる」などと一方的に通告。その旨を中央委員・代議員及び地方本部3機関長・中央傘下団体長に伝えています。その翌日には「中央大会で選出された中央委員は中央監察委員会の懲戒処分を不服とする場合、再審を請求できる場が中央委員会となります」と、またも規約第75条但書(1)を無視した内容の公文を、中央委員・代議員及び地方本部3機関長・中央傘下団体長宛に送っています。
「中央委員会の事前同意が必要」
との規約を全く無視して撤回拒否
まさに常軌を逸しています。全79条からなる規約には、「中央団長、中央議長をはじめ中央委員に対する懲戒処分は、処分実施後に中央委員会の同意を取り付けることでもよろしい」(金監察委員長)などとする文言はどこにもありません。「処分実施後に中央委員会の同意を取り付ければいいのだ」との金監察委員長の主張は、3月の第76回定期中央委員会でも明確に否定されています。
金監察委員長は、規約を無視して「呂団長および朴議長の停権3年の処分が決定した。もはや団長でも議長でもない」と強弁してやみません。民団の施策、活動方針、予算案、規約の改正、規約に関する統一解釈など諸般事項を審議決定する中央委員会(定員205名以内)の存在・役割・権限を完全に軽視しています。金監察委員長は、昨年9月にも朴安淳議長に対して戒告処分の決定を下しています。この戒告処分も「中央委員会の同意」を得ていません。明らかに規約違反です。
過去には規約の下位規定の「規約運用に関する見解統一」に「中央委員の処罰時には中央委員会の同意を前提とするが、事後承認も可能とする」との文言もありました。しかし、2000年1月の第52回臨時中央委員会および同年3月の第53回定期中央委員会において論議され、「大会で選出された役員を中央委員会の事前承認なしに処分するのは規約の不当解釈だ」「規約と矛盾する」として満場一致で削除されました。それによって「但書(1)」の「中央委員会の同意」は「事前の同意」に限定されることが確認されたのです。このことは、昨年11月19日に提出された「監察機関職務検証委員会」の検証結果からも明らかです。
今年3月の第76回定期中央委員会での規約・規定改正では、事実を精査しなかったり恣意的な解釈によって誤判を起こす事態が今後二度とないように、「規約運用に関する見解統一」に「7項=規約・規定中、同意、合意、承認の文言に関して、『事後』と明記されていない場合は、すべて事前の同意、合意、承認を意味する」を追加しました。これは規約の本旨を再確認したものです。
監察委員会は、民団の最重要・基本ルールである規約とその解釈に精通し、論理性と中立性を備え、違法行為を厭い、順法精神に富んだ人物によって構成されるべきであることは論を俟ちません。しかし、どうでしょう。金監察委員長は、平然と嘘をつき「規約」を無視しています。そして中央本部・議長への誹謗中傷・攻撃を執拗に続けています。さる11月11日に開かれた東北地方協議会でも、呂団長を目の前にして「私は(規約に則り)中央団長と中央議長を停権処分した」と主張しています。金監察委員長は、組織混乱の収拾ではなく混乱の継続に重要な役割を果たしているのです。