掲載日 : [2019-07-10] 照会数 : 21789
「韓日関係は死活問題」呂団長、文大統領に訴え…同胞懇談会
[ 全国から集まった在日同胞と乾杯をする文在寅大統領(左) ] [ 沈壽官氏からは特別に製作した陶器が大統領にプレゼントされた ] [ 民族学校の児童から大統領夫妻に花束が贈られた ]
主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席するため大阪を訪問した文在寅大統領は6月27日、大阪市内のホテルに民団幹部をはじめとする在日同胞約400人を招いて晩餐兼懇談会を開催した。
文大統領が就任後、民団幹部ら在日同胞リーダーと懇談するのは初めてだ。大阪で開かれる同胞懇談会は、李明博大統領以来8年ぶりで、大統領の大阪での滞在は、98年の金大中大統領以来21年ぶり。「大韓民国はいつもあなたと一緒」とのテーマで開かれた今回の同胞懇談会は、在日同胞100年の歴史を振り返り、在日同胞を激励するために設けられた。参加した在日同胞からは悪化している韓日関係の改善を切望する声が相次いだ。(2面に関連記事)
民団大阪本部の呉龍浩団長は歓迎のあいさつで「韓日関係がよくない中、生野区のコリアタウンでは、週末になると日本の人でごったがえすほどにぎわっている。両国の民間交流は活発だということに大統領も関心をもっていただきたい」としながら、「民団は新定住同胞や日本籍同胞を含めた同胞和合に尽力していく」と述べた。
また、韓日関係については「最近、歴史認識をめぐる問題が浮き彫りになり、決して良好な関係とはいえない」として「両国の関係悪化が長期化すれば、在日同胞の暮らしに大きな影響を与える。韓日の友好・親善なしには在日同胞社会の発展も困難だ」と述べ、冷え込んでいる韓日関係に懸念を示した。
呂健二中央本部団長も乾杯のあいさつで「今は韓日関係が非常に困難だ。大統領も大変苦労されていることはよく分かっている」としながら、「韓日関係は我々にとっては死活問題。近い国なので良い時期も悪い時期もあるが、明日のためには共に未来へ進むほかない」と述べ、関係改善に向けた努力の必要性を訴えた。
文大統領は真剣な表情でうなずきながら、「いかなる困難にも揺れない韓日友好協力関係の構築に努力する」と参加した同胞に誓った。
あわせて文大統領は「韓国と日本は1500年前から文化や歴史で交流があり、隣人であり古き友人でもある。昨年は、史上初めて1000万人をこす韓日国民が相互往来した」とし、「日本の若者の間では『第3次韓流ブーム』が起きている。日本の若者は大阪市生野区のコリアタウンを訪れており、韓国の若者も日本の大衆文化と料理に馴染みを感じ、日本の隅々を旅行している。韓流がこのように浸透しているのも在日同胞みなさんの尽力のおかげ」と強調した。
さらに、文大統領は「来年、東京五輪が開催される。隣国の五輪成功へわが国は誠意を尽くして協力していく」と示し、次世代を担う民族学校・学級への支援拡大にも力を入れていくことを約束した。
(2019.07.10 民団新聞)