掲載日 : [2022-02-16] 照会数 : 3355
現代自動車、12年ぶり日本再上陸 EV2車種を投入
[ 2021年発売のEV車「アイオニック5」 ]
[ 2018年発売の燃料電池車「ネッソ」 ]
オンライン販売
韓国の自動車メーカー最大手、現代自動車が5月から日本で電気自動車(EV)と水素燃料電池車(FCV)を販売する予定だ。同社が日本の乗用車市場に進出するのは12年ぶり2度目。ディラー網は持たない。カーシェアリングで体験してもらい、オンライン販売で購入してもらう新たな販売モデルで捲土重来(けんどちょうらい)を期している。日本でブランド力を高め、電動車の世界販売拡大をめざす。
日本に導入するのは多目的スポーツ車(SUV)のEV「IONIQ(アイオニック)5」とFCV「NEXO(ネッソ)」の2車種。8日、東京・渋谷区のキャスト/GARDENと同・港区の六本木ヒルズ/大屋根広場で同時にお披露目された。
「アイオニック5」は21年に発売した4輪駆動エコカー。独創的なフロントデザインが特徴だ。通りがかった市民は「いい顔」と印象を語った。試乗はかなわなかったが、運転席に座って感触を確かめていた。
サイドのドアハンドルは駐車と走行時は内部に格納され、すっきりした印象を与えてくれる。タイヤは専用のミシュラン製。先行車が急に減速したり、前方に停車中の車や歩行者がいるなどの状況を検知すると警告が鳴り、自動的にブレーキをアシストしてくれる。インテリアにはエコフレンドリー素材を活用した。販売価格は479万円から。
「ネッソ」は18年に販売。次世代のエネルギーである水素で走行し、水だけを輩出する「究極を目指したエコカー」で、「未来の自動車技術をかたちに」を開発思想とした。最高時速179㌔。航続距離は1回5分の充てんで820㌔までの走行が可能だという。運転支援機能「スマート駐車補助システム」および「サラウンドビューモニター」は駐車時のストレスを減らしてくれそうだ。価格は776万8300円。
ただ、現代は日本国内にディーラーを持たないため、5月から日本法人「現代モビリティジャパン」がウエブサイトおよびアプリを通じて契約を受け付ける。対面での購入相談には今夏、横浜市内にオープンする直営拠点で応じる。納車は7月からを予定。
課題となっているのが日本での認知度の向上。現代ではディー・エヌ・エー系のカーシェアサービス「Anyca(エニカ)」と協業。購入前に試乗してもらったうえで購入につなげていく考えだ。なお、19日からは渋谷区神宮前の「原宿jing」でも展示会を行う。
現代自動車は2013年、世界で初めてFCV量産に成功。これまで欧州や米国で確たる販売実績を持つが、01年に進出した日本は最も厳しい市場だった。09年に大部分の事業を整理して撤退した。ただし、日本でのEV販売台数は21年で約21万台と新車販売の1%に満たず、潜在的な成長市場としてみている。
(2022.02.16 民団新聞)