掲載日 : [2022-03-10] 照会数 : 5409
大統領選、野党の尹錫悦氏が当選…5年ぶり政権交代
[ ソウル市汝矣島の国会図書館内に設けられた党開票状況室で祝福の花束を手にする尹錫悦当選人 ]
9日に投開票された韓国大統領選で、「国民の力」の尹錫悦・前検事総長(61)が当選した。新政権の発足は5月。
午後8時から始まった開票は中盤までは李氏が優勢だったが、開票率が50%を超えてから尹氏が逆転。尹氏が僅差でリードする大接戦が続いた。
尹氏の当選が確実になったのは10日午前3時50分ごろだ。公共放送のKBS(韓国放送公社)の当選予測システムで開票が95%まで進んだ時点で、最終得票率を予想し、尹氏48・6%、李氏47・8%で尹氏の当選確実を出した。
有権者4419万7692人のうち3406万7853人が投票し、投票率は77・1%となった。前回より0・1ポイント低いが、期日前投票の投票率が36・93%となり、過去最高を記録した。
尹氏の当選により、保守系が5年ぶりに政権を握ることになった。1987年以降、国会議員の経験がない人物が大統領選に当選したのは初めて。
尹氏は当選確実となった10日4時すぎ、国会図書館に設けられた「国民の力」の開票状況室を訪れ記者会見し、「私と国民の力の勝利というよりは偉大な国民の勝利」としながら、「選挙運動をしながら、国のリーダーになるため必要なものは何なのか、国民の声にどう傾けていくべきかなどを学んだ」と述べた。
選挙戦で激しく争った李在明氏らに対しては「韓国の政治発展のため、皆が大きな貢献をした点でその価値を高く評価したい」と謝意を示しながら、「われわれの競争はいったん終わった。力を合わせ、国民と韓国のため一つにならなければならない」と呼びかけた。
また、「新政権を準備し、大統領職に就けば憲法の精神を尊重し、議会を尊重し、野党と協治(協力の政治)をしながら国民に仕える」と述べた。
選挙戦終盤で中道系野党「国民の党」の安哲秀候補と一本化し、両党の合併に合意したことに関しては、「国民の力と国民の党が早いうちに合併を終わらせ、より多くの国民の支持を受け、国民の声を傾聴する政党になるよう努力する」と言及した。
一方で、与党「共に民主党」候補の李在明・前京畿道知事は10日午前4時前に自宅を出て、ソウル汝矣島の党本部で記者会見を開き、「最善を尽くしたが、期待に応えられなかった」とし、「全ては私の力不足のせいだ。皆さんの敗北でも民主党の敗北でもない。全ての責任は私にある」と事実上の敗北宣言をした。