掲載日 : [2023-06-07] 照会数 : 1370
韓日関係改善 加速化めざす
[ 政治・経済をテーマとした第1セッション ]
金大中大統領と日本の小渕恵三首相が新たな関係構築に向けて署名した日韓共同宣言「21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ」から今年で25周年。両国の国会議員らは3日、東京・新宿の早稲田大学で記念シンポジウム(早稲田大学、韓日議員連盟、世宗研究所日本研究センターなど主催)を開き、関係改善の動きを加速化し、さらなるアップグレードをめざしていくことを確認した。
「共同宣言」25周年 両国会議員らシンポ
共同宣言に基づき韓国は日本の大衆文化を開放。02年のFIFAワールドカップ共同開催や日本での韓流ブームもあり、両国の文化的・人的交流は飛躍的に拡充した。
開会辞で日韓議員連盟の武田良太幹事長が「現在の前向きな流れをより一層加速させ」る考えを表明。韓国側の尹徳敏大使も宣言の精神を受け継ぎ。さらならアップグレイドが必要」との認識を示した。
未来志向へ提言
政治・経済分野
引き続き有識者による討論に入った。第1セッションでは政治・経済をテーマに「未来志向の日韓関係に向けた提言」を行った。
世宗研究所の陳昌洙日本研究センター長は世界における韓日関係の重要性を強調しながら「プラスアルファをどうつくっていくのか」と問題提起。共同宣言のアップグレードに向けて「日韓・韓日パートナーシップ基金」への日本側の具体的な協力を促した。
河泰慶国会議員(国民の力)は韓日首脳が韓日青少年の拡大に合意したことを受け、これを制度的に支援する両国の共同青少年事務所と高校の設立を提起した。また、北韓住民がインターネットを活用できる環境をつくっていくことが拉致被害者問題の解決にも結びつくと指摘し、国際基金を一緒になって立ち上げようと呼びかけた。
また、大邱大学校の金良姫教授は「(元徴用工問題では)韓国だけが譲歩しているとの不信感が国内に根強い」と述べ、日本側のさらなるアプローチを求めた。
文化もテーマに
文化をテーマとした第2セッションでは「日韓文化交流の軌跡と展望」をテーマに話し合った。
国立民族学博物館の朝倉敏夫名誉教授は「食の文化には国籍はあるが、国境はない」と指摘し、「食」の受容と「共創」を呼びかけた。
城西国際大学院ビジネスデザイン研究科の黄仙惠准教授も「日韓文化交流の架け橋」はドラマ・音楽・映画・漫画・アニメーション・キャラクターなどの文化コンテンツであるとして、日韓両国における「協業」「分業」「共創」、そして多方面での「活用」を呼びかけた。「日本と韓国が共に創る」‐これこそがアジアNO1、世界展開への近道と呼びかけた。
セッションに先立って姜尚中東京大学名誉教授が「日韓パートナーシップの現代的意義」と題して基調講演を行った。なお、早稲田大学は5年前にも20周年記念シンポジウムを開催している。
(2023.6.7民団新聞)