掲載日 : [2023-01-18] 照会数 : 1081
亡き父の名誉回復へ 元BC級戦犯遺族が講演
[ 畠山吉秋さん ]
【西東京】第2次大戦中、旧日本軍から最末端の軍属として雇用され、南方のタイ、マレーシア、ジャワなどで連合軍の捕虜監視義務にあたったことでいわれなき戦犯の汚名を背負わされた韓国・朝鮮人元BC級戦犯の不条理をただす写真・パネル展が14、15の両日、立川市内であった。
金完根さんの長男故人の手記初公開
15日は12年に90歳で亡くなった元BC級戦犯者、金完根さんの生い立ちと強制徴用の実態、戦犯に問われた経緯、巣鴨プリズン出所後の苦難について、長男の畠山吉秋さんが父親の書き残した手記を読み上げた。
手記は金完根さんが存命中だった76歳の時、畠山さん自ら「ボケないうちに」と直々に頼んで書いてもらったものだ。「この問題は自分の世代で終わらせたい」と多くを語らなかった父親に対し、畠山さんは「この問題は忘れちゃいけない。多くの人に知ってもらいたかった」という。
畠山さんが手記を全面公開したのはこの日が始めて。講演を聞いていた民団西東京本部関係者は「これからもこういう活動を続けて」と激励した。
主催は2018年に西東京で自発的に発足した地元市民団体。これまでに西東京の六つの公民館で写真パネル展や講演会を開き、700人以上の人たちを集めてきた。
(2023.1.18民団新聞)