掲載日 : [2023-02-01] 照会数 : 1095
新大久保駅転落事故から22年 崇高な犠牲精神称える
[ 日韓協中央会の河村建夫会長も献花に訪れた ]
JR新大久保駅ホームから転落した人を救おうとして線路に飛び込み、死亡した韓国人留学生の李秀賢さんとカメラマンの関根史郎さんを悼む文化祭が第22周忌にあたる1月26日、事故現場近くの会場で営まれた。李さんの出身地、釜山市からは新型コロナの影響で訪日を見合わせていた母親の辛潤賛さんが3年ぶりに参席した。
主催者を代表して一般社団法人新宿韓国商人連合会の金奎煥会長が「2人の愛と勇気をもう一度振り返り、その崇高な犠牲精神を称えたい」と会式の辞を述べた。
追悼文は主管団体の一つ、在日韓国留学生連合会の朴宰賢会長が読み上げた。朴会長は2人から「他人への犠牲と愛」を教えられたと述べ、自らも実践していくと誓った。
尹徳敏駐日韓国大使から寄せられた追悼辞は裵京澤総領事が代読。吉住健一新宿区長の追悼辞も読み上げられた。
文化祭には民団東京本部の李壽源団長、新宿支部からは曺明支団長らが参席。弦楽四重奏による生演奏「アメイジング・グレイス」、「千の風になって」などに乗せて献花した。
奨学生千人突破
エルエスエイチ
アジア奨学会
李秀賢さんの遺志を継ぐ特定非営利活動法人LSH(エルエスエイチ)アジア奨学会(鹿取克章会長、東京・渋谷区)から奨学金を授与されたアジア出身の奨学生はすでに1000人を超えたことがわかった。奨学会は李さんの両親のもとに寄せられた弔慰金を核として設立された。
授与式は李さんの1周忌にあたる2002年から始まり、21年11月に第20回を迎えた。累計の奨学生数は1059人に。
鹿取会長は「1000人を達成することが悲願だった。これからも李さんの遺志を大切に育んでいけるよう努力を続けていきたい」と同会の機関誌『かけはし』に寄稿した。
(2023.2.1民団新聞)