掲載日 : [2023-02-01] 照会数 : 2277
韓国がもっと身近に 「文化体験」静かな人気
[ プログラムのうち最も人気を集めたのが礼節学習を組み合わせた韓服試着体験 ] [ 子どもたちの感想文を手にする河光民院長 ]
東京韓国教育院(河光民院長、東京・新宿)が日本の小・中・高校とハングル学校を対象に取り組んでいる「韓国文化体験教室」が静かな人気を呼んでいる。当初は韓国語採択校の児童・生徒たちを主な対象としたちょっとした息抜き、お楽しみといった性格だったが、口伝えで近隣の非採択校にまで広がっている。韓国文化体験教室は約10年前から歴代の院長によって受け継がれてきた。
東京韓国教育院出張講座
プログラムは①韓服試着体験②料理③K‐POPカバーダンス④サムルノリ⑤テコンドー⑥伝統遊び⑦韓国語の7つ。
このうち、2022年度、最も人気を集めたのが韓服試着体験だった。コルムの結び方を含めた韓服の着付けと礼節学習を組み合わせた教室で、都立高を中心に26校で実施した。次にK‐POPカバーダンス、サムルノリと続く。料理はコロナ感染拡大の影響か、ここ数年は減少気味。
東京都昭島市の学校法人啓明学園初等学校では2年に1回、「コリアDAY」を実施している。昨年は学校からの要請を受け、河院長も担当講師とともにギターを手に訪問し、2年生と韓国の童謡を一緒に歌い、チェギづくりも指導した。
午後は3、4年生を対象にしたK‐POPカバーダンス、最後は迫力あるサムルノリの演奏が行われた。
河院長は韓国で初等学校の教員時代が長かっただけに、児童相手の指導はおてのもの。同じ目線で一緒に遊ぶことで、子どもたちの心をつかんだ。児童たちの感想文をまとめた小さな冊子を見ると、異文化体験が子どもたちの心に忘れられない思い出となって刻み込まれたのがわかる。
各学校と東京韓国教育院を繋いでいるのが、現場で指導している韓国語講師のネットワークだ。韓国語講師の紹介で実施が決まると、河院長自ら担当講師とともに学校に出向き、校長との人的交流を図る。これは将来的に韓国語を第2外国語として採択してもらうための種まき作業でもある。
「韓国文化体験教室」がスタートしたのは約10年前。当時のプログラムはごく限られており、韓服の着付けと礼節体験が中心だったが、歴代の院長が少しずつプログラムの拡大と充実を図ってきた。参加校は毎年2、3校ずつ増えているという。
韓国文化体験をきっかけに、韓国留学を希望したり韓国の企業で働きたいという高校生も出てきている。河院長は「約10年間にわたる種まき作業が実り、ようやく収穫の時期を迎えている。これからも子どもたちの間に芽生えた韓国への関心を育てていきたい」と話している。
6月から受付へ
23年度「韓国文化体験教室」の申し込みは6月から。問い合わせは東京韓国教育院(03・3354・5090、メールhokkaido@hanmail.net)
「コリアDAY」感想文から
韓国でビビンパ食べたい
啓明学園初等学校(東京都昭島市)の児童が「コリアDAY」の感想を東京韓国教育院に寄せた。一部抜粋して紹介する。
伝統音楽「楽器もきれいだったし、ひいた音を聞いてみたら、うつくしくひびいたし、リズムに乗れる音楽で、すごい良い音を出していて、もう涙が流れるくらい感動しました」
K‐POPダンス「私は初めておどったので『おどれるかな』と思いました。やってみたら、少しずつ踊れるようになりました。最後までやる気を出していて、そんな自分がすごいと思いました」
「韓国の音楽はとても人気なので、毎週土曜日にBTSなどの、ヒップホップダンスを習うようにしました」
お友だちの発表を聞いて「食べ物や場所などを日本語と韓国語を合わせて、発表していたのですごいなと思いました。ビビンパを韓国に行って食べてみたいなと思いました」
(2023.2.1民団新聞)