『評伝　浅川伯教と巧』読書感想文コンクール、出身地で表彰式

　【山梨】『評伝　浅川伯教と巧』読書感想文コンクール表彰式が3日、兄弟の出身地、北杜市の「浅川兄弟資料館」であった＝写真。審査の結果、応募作94点の中から「小学生の部」と「中学生の部」で各5点が入賞作に選ばれた。

　同書は日本統治下の韓半島で緑化に尽力し、庶民が愛用した白磁の美しさを日本に広めた浅川兄弟の精神を次世代に継承していこうと、北杜市が昨年11月、漫画にして発刊。コンクールを企画した。
　北杜市の上村英司市長は祝辞で、受賞作品について「浅川兄弟の生き方から差別を乗り越える精神や、どんな困難があっても自分の決めた理想の道を歩みぬくことを学んだことがうかがわれる。浅川兄弟が残した寛容の精神という小さな種が皆さんの心に植わったものと確信する」と感想を述べた。

　審査員の一人で、浅川兄弟をテーマにした小説「白磁の人」の作者、江宮隆之も「どれも浅川兄弟の生き様に共感したことが読み取れるものでした」と講評した。
　来年は巧が働いていた林業試験場のある京畿道抱川市と北杜市の友好都市締結20周年。上村市長らは来年1月に訪韓する。抱川市は夏、北杜市を親善訪問する予定。

▼審査結果
▽北杜市長賞　福井そよ香(武川小6年)、横森穂夏(甲陵中3年)
▽北杜市教育長賞　今泉成陽(高根東小5年)、河手聡一郎(須玉中3年)
▽韓国文化院院長賞　木原美成(高根東小6年)、坂本こころ(須玉中3年)
▽浅川兄弟資料館館長賞　河西和奏(高根東小5年)、石原華帆(高根中1年)
▽浅川兄弟を偲ぶ会会長賞　三井さくら(高根東小6年)、金丸果蓮(高根中1年)

(2022.12.07民団新聞)