掲載日 : [2019-05-29] 照会数 : 9721
朝鮮通信使 日韓友情ウオークがゴール…各地で草の根交流深め
[ 両手を挙げてゴールの日比谷公園に入るウオーカーたち ] [ ゴールを祝って記念撮影 ] [ ゴールの日比谷公園で抱き合って喜ぶ参加者 ]
「通信使」世界遺産登録後初…延べ3792人参加
16人が全行程を完歩 ソウル→東京2000キロ
4月1日にソウル・景福宮を出発した「第7次21世紀の朝鮮通信使 ソウル‐東京友情ウオーク」の韓国・日本・在日ウオーカーが23日午後3時頃、53日間の行程を終え、ゴール地点の東京・日比谷公園に到着した。世界記憶遺産に登録されてから、最初のウオークだったこともあり、ソウルから東京までの延べ参加者は前回(2017年)より約1000人多い、3792人に達した。ウオーカーたちは約2000キロを歩き、「朝鮮通信使」のユネスコ「世界記憶遺産登録」にあわせ、草の根レベルの韓日民間交流の大切さを両国で広くアピールした。
ソウルから東京までの全行程を歩いた完歩者は韓国隊が6人、日本隊が10人(在日含む)だった。ソウル~釜山、大阪~東京の本隊は37人だ。
この日、午後1時、品川からは民団中央本部の呂健二団長ら役職員もウオークに加わり、ゴールを共に喜び合った。
皇居を経由し、隊列が日比谷公園に到着すると、民団や婦人会の東京本部、東京日韓親善協会の保坂三蔵会長、柏の葉ウォーキングクラブのメンバーら200余人が「お疲れ様でした!朝鮮通信使 日韓友情ウオーク ソウル‐東京」の横断幕を掲げ、大きな歓声で出迎えた。民団大田支部も農楽隊を構成し壮快な演奏で華をゴールに添えた。
今回の完歩をした中で最年長は85歳の金承南さん(大阪・生野区)で、3度目の完歩となる。60歳からマラソンを始めて今でも年に数回マラソンを走る強者でもあり、ゴールでは参加者全員から大きな拍手と歓声が送られた。
遠藤靖夫・日本隊長はゴール宣言で「53日間に渡り、韓日両国で多くの方に歓迎された。市民レベルではとても温かい交流が根付いていることを痛感した」としながら、「出発したのが新元号が発表された4月1日、そして、令和となった5月1日に京都に到着した。これも両国善隣友好への大きな縁と言えるのではないか。朝鮮通信使が両国友好のシンボルであったように、令和が、新たな韓日友好親善のスタートになることを願う」と述べた。
民団中央の呂健二団長も「来年はこのウオークは行われないが、東京五輪の年。朝鮮通信使をテーマに、成功に向けて一緒に何かやりましょう」と呼びかけた。
同日夜、都内千代田区のホテルで開かれたゴール祝賀会にかけつけた、日韓親善協会中央会の河村建夫会長は「まずは心からお疲れ様。皆さんが53日間かけて、韓日両国を踏破したことに敬意を表すると共に、世界遺産、朝鮮通信使の持つ意味がいかに大きいかを改めて痛感した。この事業が今後も継続してほしいし、皆さんにはぜひ後継者を育ててほしい」としながら、「両国関係が悪化しているこんな時だからこそ、朝鮮通信使の善隣友好の精神をお手本にして難局を乗り越えていくべきだ」とし、韓日民間交流の大切さを強調した。
2年に一度、海峡を挟んで韓国と日本の首都を結ぶ長距離ウオークは現代版朝鮮通信使としてすっかり定着した。2007年の第1次以来、毎回、参加者は増え続け、今年で合計1万5831人が参加した。
(2019.05.29 民団新聞)