生活相談Q&A

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生活相談Q&A 内容

掲載日 : [23-02-01]   照会数 : 1138

重婚における相続について


Q:重婚における相続について


 父がなくなり、財産相続の問題で不測の事態に直面し、頭をかかえています。実は、父には日本にいる私たち家族以外に、母と結婚する前から韓国にも奥さんと子どもがいたようなのです。父が残した財産はすべて日本にありますが、私と母は父の財産の相続人になれるのでしょうか。
 

A:ご質問のような相続の問題については、被相続人つまりお父様の国籍に連なる韓国法が適用されます。本事例においては、お父様の日本における配偶者、つまりあなたのお母様と結婚される前に、韓国においても配偶者と子どもがいるとのことですので、重婚をキーワードに説明を進めていきます。重婚とは、前の婚姻関係が残っているのに、重ねて後の婚姻関係が成立してしまうことを言います。ある一方と婚姻関係が成立し、その婚姻について離婚が成立していないのに、他方との婚姻が成立すると、重婚になります。

 お父様の日韓両国における婚姻が重婚状態にある場合ですが、重婚は婚姻の取消事由(韓国民法816条1項)とされています。

 そして、当事者、その配偶者、直系血族、四親等以内の傍系血族、検事が取消権者として後婚を取り消すことができる旨が定められています(韓国民法818条前段)ので、韓国の妻と子らは、後婚となるお父様とお母様との婚姻について、婚姻の取消請求を行うことができます。

 ただし、韓国大審院判例1996年12月23日判決は、「民法第824条は、“婚姻の取消の効力は既往に遡及しない”と規定しているにすぎず、財産相続等に関し遡及効を認める別途の規定がないところ、婚姻中の夫婦の一方が死亡し、相手方が配偶者として亡人の財産の相続を受けた後にその婚姻が取り消されたという事情のみで、その前になされた相続関係が遡及して無効と言ったり、または、その相続財産が法律上原因なく取得したものとみることはできない」と判示し、本来の配偶者の相続分を2分の1ずつ相続させています。

 また、上記のとおり婚姻の取消の効力は既往に遡及しない(韓国民法824条)ため、重婚における後婚において出生した子も、婚姻中の子となりますので、あなたも相続人となります。

 したがって、本事例は、あなたやあなたのお母様のほかに韓国の配偶者と子どもも相続人として手続きを進めることになります。
 

生活相談Q&A リスト

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番号 タイトル カテゴリー
45 不動産譲渡に対する税金 不動産
44 相続登記における必要書類について 相続
43 相続と国外財産調書 相続
42 日本国籍に帰化をしたが、韓国国籍に戻せる? 国籍
41 母国の墓じまいに関するQ&A その他
40 家族関係登録の婚姻証明書に「登録基準地」の記載がない場合 家族関係登録
39 家族関係証明書に30数年前に亡くなった父が生存のままになっている 家族関係登録
38 手書きの戸籍謄本には名前が載っているが、家族関係証明書は登録がない場合 家族関係登録
37 韓国に亡くなった主人名義の土地がありますが、売却できますか? 相続
36 韓国にある父名義の土地の相続について 相続
35 養子縁組の方法を教えて下さい その他
34 韓国の預金利息の申告について 財産
33 韓国にある財産の贈与を受けた際の贈与税の計算について 財産
32 韓国に訴訟費用の支援などを行う公的機関はありますか? 訴訟
31 海外旅行中の怪我は帰国後の治療費も補償されますか? 訴訟
30 会社から退職を迫られたら辞めなくてはならない? 訴訟
29 相続手続に必要な書類について 相続
28 相続における準拠法と土地の相続について 相続
27 重婚における相続について 相続
26 韓国で相続した財産の相続税などについて 相続
25 事実婚における相続について 相続
24 国法と日本法の相続の違いについて 相続
23 別居中の相手と離婚したいが住所がわからない 離婚
22 離婚後の生活費や養育費について 離婚
21 日本に住む韓国国籍同士の離婚について 離婚
20 婚姻届の提出先について 結婚
19 遺言書の作成について その他
18 会社名義の部屋に住んでいた社員が家賃を滞納したままいなくなった。支払い義務は? 不動産
17 韓国にある土地の名義と税金について 不動産
16 日本で生活しながら韓国で事業展開した場合の納税は? その他
15 国外財産調書を提出しなかった場合の罰則は? その他
14 国外での利益や所得は、日本でも申告が必要? 不動産
13 韓国人が日本で不動産を購入し、運用する場合の留意点は? 不動産
12 韓国と日本に財産がある場合の相続税について 相続
11 日本での老齢年金受け取りについて その他
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